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2017/12/19

進行乳癌へのabemaciclib投与は予後因子によるサブグループの全てで有効、予後不良グループで高い効果も【SABCS2017】

横山勇生

 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性進行乳癌に対するCDK4/6阻害薬abemaciclib追加投与による効果は、予後に関わる因子で分けたサブグループの全てで現れることが明らかとなった。また、予後不良グループの中には予後の良いグループよりも強い効果を示した場合もあった。abemaciclibとフルベストラント併用の有効性を示したMONARCH2試験と、非ステロイド型アロマターゼ阻害薬(AI)併用の有効性を示したMONARCH3試験のデータを統合して行った、予後因子と効果に関する探索的な解析で判明したもの。12月5日から9日までサンアントニオで開催されたSAN ANTONIO BREAST CANCER SYMPOSIUM(SABCS2017)で、米Mayo ClinicのGoetz MP氏によって発表された。

 今回の解析は、最適な治療戦略を立てる上で、いつ、どのような患者にabemaciclibを投与開始するのが良いのかを評価するために行われた。

 MONARCH2試験は、内分泌療法を受け進行した患者にabemaciclibとフルベストラントを投与した群とプラセボとフルベストラントを投与した群を比較した試験。MONARCH3試験は、1次治療としてabemaciclibと非ステロイド型AIを投与した群とプラセボと非ステロイド型AIを投与した群を比較した試験。探索的解析は、両試験を合わせたデータから予後因子を同定し、効果との関連を調べることで行われた。

 1000人以上の患者の臨床因子の解析が行われ、多変量解析で5つの有意な予後因子が同定された。見い出されたのはECOG PS、腫瘍グレード(局所)、プロゲステロン受容体の状態、骨転移のみ、肝転移だった。

 5つの予後因子ごとに試験別に調べた結果、いずれの場合もabemaciclibによる効果が確認された。予後が悪いサブグループの中には、abemaciclib の効果がより高い群があった(肝転移あり、プロゲステロン受容体陰性、腫瘍グレード高度)。

 またベースライン肝転移の有無と無増悪生存期間(PFS)の関係を解析した結果、予後が良いベースラインで肝転移がなかった患者では、MONRCH2試験のabemaciclib群(331人)のPFS中央値は19.96カ月、プラセボ群(164人)のPFS中央値は11.57カ月でハザード比0.555(95%信頼区間:0.433-0.713)、MONRCH3試験のabemaciclib群(280人)のPFS中央値はNR、プラセボ群(135人)のPFS中央値は15.35カ月、でハザード比0.567(95%信頼区間:0.412-0.780)だった。予後が悪いベースラインで肝転移があった患者では、MONRCH2試験のabemaciclib群(115人)のPFS中央値は11.64カ月、プラセボ群(59人)のPFS中央値は3.09カ月でハザード比0.447(95%信頼区間:0.311-0.644)、MONRCH3試験のabemaciclib群(48人)のPFS中央値は15.02カ月、プラセボ群(30人)のPFS中央値は7.20カ月、でハザード比0.469(95%信頼区間:0.253-0.866)だった。

 ECOG PS、腫瘍グレード(局所)、プロゲステロン受容体の状態、骨転移のみで分けても同様な結果だった。両試験とも予後が良いプロゲステロン受容体陽性、腫瘍グレード低度/中等度、骨転移のみ、ECOG PS 0でも、abemaciclibによるPFS延長効果が確認された。また、両試験とも予後が悪いプロゲステロン受容体陰性、腫瘍グレード高度、骨転移のみでない、ECOG PS 1でも、abemaciclibによるPFS延長効果が確認された。その中で肝転移あり、プロゲステロン受容体陰性、腫瘍グレード高度については、肝転移なし、プロゲステロン受容体陽性、腫瘍グレード低度/中等度よりもabemaciclibのPFS延長効果が高かった。

 予後因子で分けた両試験の全てのグループでabemaciclib投与による奏効率の上昇が確認された。こちらも予後が悪いサブグループの中に奏効率の増加幅が大きいものがあった。MONARCH2試験においては、プロゲステロン受容体陰性、肝転移あり、腫瘍の高グレード患者で、奏効率が30%以上上昇していた。MONARCH3試験においては、肝転移あり、プロゲステロン受容体陰性、腫瘍の高グレード患者で、奏効率が29%以上上昇していた。

 次にMONARCH2試験とMONARCH3試験のそれぞれで単変量解析によって予後因子の探索を行ったところ、MONARCH3試験の内分泌療法からの無治療期間(TFI)が36カ月未満と36カ月以上であることのみが同定された。

 MONARCH3試験のTFIが36カ月未満の患者では、PFS中央値はabemaciclib群(42人)が未到達、プラセボ群(32人)が9.04カ月で、ハザード比は0.480(95%信頼区間:0.253-0.980)と大きな差がついた。奏効率もabemaciclib群が43.3%、プラセボ群が22.7%だった。

 MONARCH3試験のTFIが36カ月以上の患者(abemaciclib群94人、プラセボ群40人)では、PFSのハザード比は0.833(95%信頼区間:0.457-1.517)、奏効率はabemaciclib群が56.9%、プラセボ群が46.7%であまり差がなかった。STEEP解析によると12カ月PFS率、18カ月PFS率のどちらもTFIが長くなってもabemaciclib群が変わらないのに対して、プラセボ群はTFIが長くなるにつれて上昇し、abemaciclib群に近づいていた。

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