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2017/12/19

バイオマーカーによる高リスクの非浸潤性乳管癌に術後放射線療法は有用だが低リスクには有用でない【SABCS2017】

八倉巻尚子=医学ライター

 バイオマーカーと臨床病理学的因子から予測された再発リスクが高い非浸潤性乳管癌(DCIS)患者では術後放射線療法の有用性はあるが、リスクが低い患者では放射線療法の有用性は示されなかった。12月5日から9日まで米国サンアントニオで開催されたSAN ANTONIO BREAST CANCER SYMPOSIUM(SABCS2017)で、スウェーデンUppsala UniversityのFredrik Warnberg氏らが発表した。

 スウェーデンで行われたランダム化試験(SweDCIS)の臨床データと検体を用いて、術後放射線療法の有用性が検討された。SweDCIS試験は、1987-1999年に乳房温存術を受けた1046人を対象に、放射線療法群と非放射線療法群にランダム化して比較した試験。20年間のフォローアップで同側乳房のDCIS再発は129人、乳癌の発症は129人だった(Warnberg et al. JCO 2014)。

 873人のパラフィン包埋組織ブロックについて中央病理審査が行われた。バイオマーカーとしてHER2とKi67、ホルモン受容体関連のPRとFOXA1、ストレス応答関連のCOX2とSIAH2、細胞周期に関わるp16/INK4Aが調べられた。これらのバイオマーカーと臨床病理学的因子(年齢、腫瘍サイズ、断端、触知性)を使って判定スコア(Decision Scores:DS)を0-10で算出。低リスクを0-3、高リスクを4以上とした。

 バイオマーカーと臨床的情報が得られたのは584人。年齢や腫瘍サイズ、断端の状態、治療時期は全体の患者背景とほぼ同じで、放射線療法を受けた患者の割合も50%であった。このうち断端陰性の506人を解析対象とした。

 治療後10年時点の放射線療法の有用性を解析した結果、低リスク群では同側乳房イベント(DCIS再発、乳癌発症)のハザード比は0.48、p=0.04、高リスク群は0.31、p<0.001であった。

 乳癌発症に関するハザード比は低リスク群では0.84、p=0.70で有意ではなく、放射線療法による絶対的リスクの差は1%であった。それに対して、高リスク群は0.24、p=0.012で、放射線療法による絶対的リスクの差は9%であった。

 このため「低リスク群では放射線療法は有意な有用性を示さなかったが、高リスク群は予測ハザード比0.5を超える高い有用性を示した」とした。

 さらにUppsala University HospitalとUniversity of Massachusettsのデータでも同様に検証したところ、SweDCIS試験データと一致した結果が得られた。

 これらの結果から、バイオマーカーと臨床病理学的因子によるリスクは放射線療法の有用性を予測し、乳癌発症に関し、術後放射線療法は全てのDCIS患者に等しく有用ではなかったとした。

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