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2017/12/19

微小転移のみの乳癌では腋窩リンパ節非郭清でもDFSは郭清に劣らず、IBCSG 23-01試験の10年の追跡結果【SABCS2017】

森下紀代美=医学ライター

 センチネルリンパ節に微小転移のみを認めるcT1-T2N0の乳癌では、腋窩リンパ節の非郭清は郭清術に対し、無病生存率(DFS)および全生存率(OS)において非劣性であることが示された。フェーズ3のIBCSG 23-01試験の10年間の追跡結果から明らかになったもので、5年間の追跡結果を裏付ける結果となった。12月5日から9日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2017)で、イタリアEuropean Institute of OncologyのViviana Galimberti氏がInternational Breast Cancer Study Groupを代表して発表した。

 IBCSG 23-01試験は多施設共同のランダム化比較試験で、腋窩リンパ節に微小転移がある乳癌患者を対象に、腋窩リンパ節郭清術に対する非郭清の非劣性を検証している。5年累積無病生存率は、非郭清群89%、郭清群85%で差はなかった。

 今回は追跡期間中央値9.8年において、脱落しなかった患者の83%で得られた最新結果が報告された。

 対象は、病理学的腫瘍径が5cm以下(プロトコール改訂前は3cm以下)の乳癌で、センチネルリンパ節生検で2mm以下の微小転移を1個以上認めた患者だった。手術は乳房温存手術または乳房切除術が予定された。腋窩リンパ節にマクロ転移がある患者は除外した。適格と判断された患者を、腋窩リンパ節郭清術を行う郭清群、または非郭清群にランダムに割り付けた。

 主要評価項目はDFS、副次的評価項目はOS、非郭清の腋窩リンパ節における再発率だった。非郭清群の郭清群に対する非劣性マージンは、DFSのハザード比で1.25未満とした。

 2001年から2010年までに27施設から登録された患者のうち934人がランダム化割り付けに進み、931人で評価可能だった。非郭清群467人、郭清群464人となった。来院しない患者や脱落した患者は追跡最終日に打ち切りとされた。

 両群の患者背景に偏りはなく、年齢中央値は非郭清群54歳、郭清群53歳、閉経前の患者は両群で44%、センチネルリンパ節の転移が1mm以下の患者は非郭清群69%、郭清群70%、腫瘍径が2cm未満の患者はそれぞれ69%と68%だった。ER陽性とPgR陽性は、非郭清群ではそれぞれ91%と75%、郭清群では88%と76%だった。乳房温存術は両群の91%、乳房切除術は両群の9%に行われ、放射線療法はそれぞれ97%と98%に行われたが、乳房切除術における胸壁への照射は7%と5%のみだった。全身療法は非郭清群の97%、郭清群の95%に行われた。

 10年DFSは、非郭清群77%、郭清群75%、ハザード比0.85(95%信頼区間:0.65-1.11、log-rank p=0.24、非劣性はp=0.002)となり、非郭清の郭清術に対する非劣性が証明された。

 乳癌の累積再発率は、10年時で非郭清群17.6%、郭清群17.3%、ハザード比0.98(95%信頼区間:0.71-1.36、p=0.92)だった。腋窩リンパ節の再発率は低く、非郭清群1.7%、郭清群0.4%となった。腋窩リンパ節の再発率を術式別にみると、乳房切除術では非郭清群1.2%、郭清群1.2%、乳房温存手術ではそれぞれ0.8%と0.1%だった。

 10年OSは非郭清群91%、郭清群88%、ハザード比0.77(95%信頼区間:0.56-1.07、log rank p=0.20)となり、有意差はなかった。

 IBCSG 23-01試験の10年の追跡結果は、センチネルリンパ節転移陽性例でも腋窩リンパ節郭清術を省略できる可能性を示した、Z0011試験の10年の追跡結果と一致していた。さらに今回の解析のサブグループ解析では、乳房切除術を行う患者でもDFSは非郭清で良好となり、非郭清が受容可能な治療であることが示唆された。

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