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2017/12/18

ER陽性HER2陰性進行閉経後乳癌の1次治療でのパルボシクリブとレトロゾールの併用は長期観察でもPFSを延長【SABCS2017】

横山勇生

 エストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性進行閉経後乳癌に対する1次治療として、CDK4/6阻害薬パルボシクリブとアロマターゼ阻害薬レトロゾールを投与することは、長期観察でも無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが確認された。また全てのサブグループで、プラセボとレトロゾールを投与した場合よりも、パルボシクリブとレトロゾールを投与した場合にPFSを延長することも示された。特に腫瘍量が少ない患者、内分泌療法に感受性の患者のPFS中央値は、パルボシクリブとレトロゾールを併用した場合に良好なPFS延長を示していた。長期観察でも安全性に関する新たな問題は見い出されなかった。

 フェーズ3試験PALOMA-2の長期観察結果から明らかとなったもの。12月5日から9日までサンアントニオで開催されたSAN ANTONIO BREAST CANCER SYMPOSIUM(SABCS2017)で、米University of California San Francisco Comprehensive Cancer CenterのRugo HS氏によって発表された。

 PALOMA-2試験は、閉経後のER陽性HER2陰性進行乳癌で、全身療法の治療歴がない患者を対象に、28日を1サイクルとし、パルボシクリブ125mg/日(3週間投与、1週間休薬)とレトロゾール(2.5mg/日)を経口投与する群(P+L群)と、プラセボとレトロゾールを投与する群(PLB+L群)に、患者を2対1で割り付けて行われた(P+L群444人、PLB+L群222人)。

 ベースラインの患者背景は両群でバランスがとれていた。P+L群とPLB+L群の年齢中央値はそれぞれ62歳と61歳、内臓転移を有する患者は48%と50%、DFI(desease free interval)が12カ月以下の患者は両群で22%、内分泌療法の治療歴がある患者は56%と57%だった。

 主要評価項目であるPFS中央値は、観察期間中央値23カ月の時点で、P+L群24.8カ月、PLB+L群14.5カ月、ハザード比は0.576(95%信頼区間:0.463-0.718)となり、P+L群で10.3カ月延長していた(p<0.000001)。

 今回発表されたのは、2017年5月31日をデータカットオフとした、P+L群の観察期間中央値37.6カ月、PLB+L群の観察期間中央値37.3カ月のデータ。進行乳癌に対するCDK4/6阻害薬を投与したフェーズ3試験で、最も観察期間が長期となるものだ。研究グループの評価によるPFS中央値は、全体としてP+L群が27.6カ月(95%信頼区間:22.4-30.3)、PBO+L群が14.5カ月(95%信頼区間:12.3-17.1)で、ハザード比0.563(95%信頼区間:0.461-0.687)、p<0.000001で有意にP+L群が良かった。ハザード比が減少し、長期観察でも同等以上のPFS延長効果が確認された。

 PFSのサブグループ解析の結果、全てのサブグループでP+L群が優位な結果となった。特に腫瘍量が少ない患者群で顕著にP+L群が良好な結果となった。術後または術前療法の終了から増悪までの期間(DFI)が5年超、測定不能病変、病巣が1つ、内分泌療法歴がない、非内臓転移で内分泌療法歴がない患者だった。これらの患者でのP+L群のPFS中央値はいずれも30カ月を超え、3年を超えているサブグループもあった。

 またSTEEP解析の結果、PFSのハザード比に対する治療効果は、術後療法を受けた患者、術後療法を受け内臓転移があった患者、術後療法を受け非内臓転移があった患者のいずれにおいても、DFSの長さに関わらず一定して認められた。

 さらに、重要な点として、無作為化から後治療としての最初の全身化学療法の開始までの期間はP+L群が40.4カ月(95%信頼区間:34.7-47.3)、PBO+L群が29.9カ月(95%信頼区間:25.6-35.1)、ハザード比074(95%信頼区間:0.59-0.92)、片側p<0.005となった。1次治療としてのP+Lは、化学療法の開始を有意に遅らせることができ、その期間は10.5カ月だった。

 試験終了後、後治療として全身化学療法を受けた患者では、両群とも抗ホルモン療法が最初の後治療として最も多くおこなわれていた(P+L群が60.8%、PBO+L群が58.0%)。P+L群でフルベストラントを投与されたのが30.8%、エキセメスタンの投与を受けたのが21.6%だった。PBO+L群でも同様だった。エベロリムスを投与されたのは、P+L群の13.7%、PBO+L群の17.3%だった。

 安全性については、長期観察で新たに見出された問題はなかった。P+L群の発熱性好中球減少症は2%のみだった。

 研究グループは、「今回の結果からパルボシクリブとレトロゾールの併用は、ホルモン受容体陽性HER2陽性進行乳癌に対する重要な1次治療としての選択肢であることが確認された」と結論づけた。

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