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2017/10/16

治療歴があるNSCLC患者へのS-1投与は70歳以上でもドセタキセルと同様に有効【肺癌学会2017】

横山勇生

 治療歴がある進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対するS-1投与は、70歳以上でも有効であり、安全性プロファイルは忍容可能であることが明らかとなった。S-1がドセタキセルに全生存期間(OS)で非劣性を示したアジアで行われたフェーズ3試験EAST-LCの、70歳以上の患者のサブグループ解析の結果示されたもの。10月14日から15日まで横浜市で開催された日本肺癌学会で、静岡がんセンターの高橋利明氏によって発表された。

 EAST-LC試験の対象は、IIIBまたはIV期のNSCLCで、前治療で1-3レジメンの化学療法(プラチナ製剤を含む化学療法を1レジメン以上含む)を受けている患者。扁平上皮癌と非扁平上皮癌の両方を対象とした。ゲフィチニブやエルロチニブの投与の有無は問わなかったが、前治療でドセタキセルやフッ化ピリミジンの投与を受けている患者は除外した。PSは2以下であることとした。

 S-1 80-120mg/日を28日間投与し、その後14日間休薬、6週毎に繰り返す群(S-1群)、またはドセタキセルを日本では60mg/m2、日本以外の国では75mg2の用量で3週毎に投与する群(ドセタキセル群)のいずれかに、患者をランダムに割り付けた。

 同試験には、日本、香港、中国、台湾、シンガポールが参加し、2010年7月から2014年7月までに1154人が登録され、最終的にS-1群570人、ドセタキセル群577人で有効性解析が行われた。

 患者全体で、OS中央値はS-1群12.75カ月、ドセタキセル群12.52カ月、ハザード比0.945(95%信頼区間:0.833-1.073)、p=0.3818となり、S-1のドセタキセルに対する非劣性が証明された。無増悪生存期間(PFS)中央値はS-1群2.86カ月、ドセタキセル群2.89カ月、ハザード比1.033(95%信頼区間:0.913-1.168)だった。

 ドセタキセル群577人中100人が70歳以上で、そのうち99人のデータが有効性と安全性解析に用いられた。S-1群577人のうち70歳以上は90人で、そのうち90人のデータが有効性解析、88人のデータが安全性解析に用いられた。70歳以上の患者は全体に比べて日本人が多かった。

 70歳以上の患者におけるOS中央値は、S-1群14.7カ月(95%信頼区間:9.1-21.6)、ドセタキセル群12.1カ月(95%信頼区間:7.7-15.2)、ハザード比0.763(95%信区間:0.543-1.072)で、高齢者においてもS-1の効果は、ドセタキセルと同等以上だった。75歳以上の患者におけるOS中央値は、S-1群(34人)18.15カ月(95%信頼区間:8.87-27.07)、ドセタキセル群(22人)11.30カ月(95%信頼区間:4.27-19.84)、ハザード比0.539(95%信区間:0.284-1.022)で、S-1の効果は、ドセタキセルと同等以上だった。

 70歳以上の患者におけるPFS中央値はS-1群4.1カ月(95%信頼区間:2.8-4.4)、ドセタキセル群4.1カ月(95%信頼区間:2.6-5.5)、ハザード比0.841(95%信頼区間:0.599-1.181)で、効果は同等だった。

 奏効率は、患者全体でS-1群8.3%、ドセタキセル群9.9%、病勢コントロール率(DCR)はそれぞれ45.4%と44.7%だった。70歳以上の集団においては、S-1群12.9%、ドセタキセル群14.0%。病勢コントロール率(DCR)はそれぞれ51.4%と45.3%だった。

 投与中止理由が副作用によるものは、S-1群とドセタキセル群のどちらも70歳以上の集団で多かったが、安全性プロファイルは忍容可能だった。患者全体で、S-1群の副作用による中止率は8.6%、ドセタキセル群の副作用による中止率は16.8%だったが、70歳以上になると、S-1群の副作用による中止率は13.6%、ドセタキセル群の副作用による中止率は24.2%だった。また、70歳未満と比較して、ドセタキセル群で血液毒性/消化器毒性、S-1群で消化器毒性/疲労の頻度が高かった。

 なお、70歳以上で6カ月以上治療が継続している場合には、ドセタキセル群のQOLは低下していた。

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