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2017/10/16

EGFR変異陽性非小細胞癌へのオシメルチニブの1次治療での日本人のPFS中央値は約19カ月【肺癌学会2017】

横山勇生

 EGFR変異陽性非小細胞癌に対する1次治療として、第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブが、第1世代EGFR-TKよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることを示したフェーズ3試験FLAURAの日本人データが明らかとなった。オシメルチニブ群の日本人(65人)のPFS中央値は19.1カ月(95%信頼区間:12.6-23.5)で、全体の18.9カ月と同等の結果だった。また、全体に比べて日本人患者でQTcF延長と間質性肺炎が多く認められたが、軽度から中等度のものだった。10月14日から15日まで横浜市で開催された日本肺癌学会で、国立がん研究センター中央病院の大江裕一郎氏によって発表された。

 FLAURA試験は、30カ国556人を対象に行われた。EGFRのコモン変異(del19/L858R)を有する18歳以上でEGFR-TKIの投与を受けたことのない進行NSCLC患者を、オシメルチニブ群(279人、1日1回80mg投与)と標準療法群(277人、1日1回ゲフィチニブ250mg投与か1日1回エルロチニブ150mgを投与)に1対1に割り付けて行われた。脳転移がある患者も神経学的に安定している患者は参加可能とされていた。標準療法群で増悪となり中央判定でT790M変異が同定された場合にはオシメルチニブへのクロスオーバーが認められていた。

 主要評価項目は、研究グループによるRECIST v1.1でのPFS。副次評価項目はOS、奏効率、奏効期間、疾患制御率、安全性、QOLなど。変異がdel19かL858Rか、アジア人か非アジア人かで層別化されていた。

 FLAURA試験にはオシメルチニブ群に65人、標準療法群に55人が参加した。患者背景は、全体に比べると喫煙歴のない患者、L858R患者がやや多かった以外は差はなかった。なお、日本人の標準療法群にはすべてゲフィチニブが投与された。

 患者の背景は両群で大きな差はなかった。女性がオシメルチニブ群64%、標準療法群62%、アジア人がオシメルチニブ群62%、標準療法群62%、del19がオシメルチニブ群57%、標準療法群56%、L858Rがオシメルチニブ群35%、標準療法群32%、脳転移があったのは、オシメルチニブ群19%、標準療法群23%だった。

 PFS中央値は、患者全体でオシメルチニブ群が18.9カ月(95%信頼区間:15.2-21.4)、標準療法群が10.2カ月(95%信頼区間:9.6-11.1)、ハザード比が0.46(95%信頼区間:0.37-0.57)、p<0.0001で有意にオシメルチニブ群が良い結果だった。日本人患者においては、オシメルチニブ群が19.1カ月(95%信頼区間:12.6-23.5)、標準療法群が13.8カ月(95%信頼区間:8.3-16.6)、ハザード比0.61(95%信頼区間:0.38-0.99)だった。大江氏は「日本人の標準療法群の中央値は良いように見えるが、患者数が少なくカプランマイヤー曲線の形線の形から良く見えているだけ」とゲフィチニブの従来の効果と差はないと説明した。

 PFSのサブグループ解析は、患者全体、日本人患者の両方ともすべてのサブグループでオシメルチニブ群が良好だった。

 奏効率は全体でオシメルチニブ群が80%(95%信頼区間:75-85)、標準療法群が76%(95%信頼区間:70-81)、日本人患者でオシメルチニブ群が75%(95%信頼区間:63-85)、標準療法群が76%(95%信頼区間:63-87)だった。奏効期間(DoR)中央値は、患者全体でオシメルチニブ群が17.2カ月(13.8-22.0)、標準療法群が8.5カ月(7.3-9.8)、日本人患者でオシメルチニブ群が18.4カ月(NC-NC)、標準療法群が9.5カ月(6.2-13.9)だった。

 OS中央値は患者全体で、どちらも未到達(イベントはオシメルチニブ群の21%、標準療法群の30%で発生)だったが、ハザード比は0.63(95%信頼区間:0.45-0.88)、p=0.0068だった。日本人患者でもどちらも未到達(イベントはオシメルチニブ群の14%、標準療法群の18%で発生)だった。カプランマイヤー曲線は、オシメルチニブ群、標準療法群ともに全体よりも日本人患者で上に来ているように見えた。ただし、曲線間の差は全体よりも日本人患者の方が小さかった。

 グレード3以上の副作用は、患者全体および日本人患者のいずれでもオシメルチニブ群の方が少なかったが、発現率は、オシメルチニブ群と標準療法のどちらも日本人患者で多かった。オシメルチニブ群において、QTcF延長と間質性肺炎は、患者全体に比べて日本人患者で多く発現していた。QTcF延長は全体で28人(全グレード)に発現したが、そのうち14人が日本人で、間質性肺炎は全体で11人(全グレード)に発現したが、そのうち8人が日本人だった。

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