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2017/9/11

進行卵巣癌に対するプラチナ系抗癌剤ベースの化学療法+ベバシズマブの安全性を日本人で確認【ESMO2017】

森下紀代美=医学ライター

 日本人の進行卵巣癌患者の1次治療として、プラチナ系抗癌剤ベースの化学療法にベバシズマブを追加しても安全に投与できると考えられることが、前向きのコホート研究、JGOG3022から示された。9月8日から12日までマドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)で、がん研有明病院婦人科の加藤一喜氏が発表した。

 GOG-0218試験とICON-7試験では、進行卵巣癌患者の1次治療にベバシズマブを追加することにより、無増悪生存期間(PFS)が延長することが示された。この結果から、ベバシズマブは1次治療に広く使用されるようになったが、日本ではベバシズマブの追加投与に関する安全性について、十分な情報が得られていない。

 JGOG3022試験は、日本人患者を対象として、1次治療にベバシズマブを追加し、安全性を評価するために行われた。対象は、FIGO進行期III-IV期の上皮性卵巣癌・卵管癌・原発性腹膜癌患者で、20歳以上、ECOG PSは0-2とされ、術前化学療法は許容された。

 ベバシズマブ15mg/kgは、1次治療のプラチナ系抗癌剤ベースのレジメンに追加して投与し、その後は単剤で疾患の進行または受容不能な毒性の発現まで、投与を継続した。主要評価項目は安全性、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率だった。

 2015年4月から2016年2月までに79施設から346人が登録され、解析対象は333人となった。スクリーニング時の年齢中央値は58歳(範囲:27-83)、組織学的には漿液性卵巣癌が66.1%と最も多かった。

 ベバシズマブ投与のサイクル数中央値は17(範囲:1-40)、投与期間の中央値は12.7カ月(範囲:0-29.5)だった。1サイクル目は手術のため、70%を超える患者でベバシズマブの投与は中止されている。

 治療関連有害事象として、グレード3の直腸瘻が1人(0.3%)、グレード2の直腸穿孔が1人(0.3%)に発現した。また血栓塞栓性のイベントはグレード2が6人(1.8%)、グレード3が4人(1.2%)に発現した。ただし、これらの発現率はGOG-0218試験の報告よりも低かった。

 一方、今回の検討でGOG-0218試験よりも頻度が高かったのが、高血圧と蛋白尿だった。高血圧はグレード2が80人(24.0%)、グレード3が74人(22.2%)、グレード4が1人(0.3%)に発現し、蛋白尿はグレード2が60人(18.0%)、グレード3が46人(13.8%)に発現した。また有害事象でグレード5の事象は発現していない。

 加藤氏は「ベバシズマブの導入にあたっては、当初直腸瘻や直腸穿孔などが懸念されていたが、今回の検討では頻度は低かった。一方、日本人では蛋白尿や高血圧の発現頻度が上昇しており、注意を要することがわかった」と話した。有効性の評価も今度報告する予定であるという。

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