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2017/9/11

高リスク進行前立腺癌ではドセタキセルよりもアビラテロンをADTに追加すると治療成功生存期間とPFSが改善する可能性【ESMO2017】

森下紀代美=医学ライター

 大規模な第II/III相のSTAMPEDE試験では、高リスクの局所進行または転移を有する前立腺癌患者で、標準治療にドセタキセル+プレドニゾンを追加した群(SOC+DocP群)とアビラテロン+プレドニゾンを追加した群(SOC+AAP群)のデータの直接比較が行われた。その結果、SOC+AAPは治療成功生存期間(FFS)と無増悪生存期間(PFS)で優れる可能性が示された。マドリッドで9月8日から12日まで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)で、英University College LondonのMatthew Sydes氏が発表した。

 STAMPEDE試験では、multi-arm multi-stage platformを採用している。長期のアンドロゲン除去療法(ADT)を開始した、高リスクの局所進行または転移を有する前立腺癌患者では、標準治療(長期のADTまたはADTと放射線療法)のみを行った群(SOC)との比較において、SOC+AAP群、SOC+DocP群でそれぞれ生存期間が有意に延長したことが報告されている。

 今回Sydes氏らは、STAMPEDE試験のサブセットを用いて、SOC+AAP群とSOC+DocP群のランダム化割り付けしたデータを直接比較し、エビデンスとして報告した。

 2011年11月から2013年3月までに、SOC+DocP群に割り付けられた189人とSOC+AAP群に割り付けられた377人の計566人を検討の対象とした。SOC+DocP群では、ドセタキセル75mg/m2を3週毎、プレドニゾン5mgを毎日投与し、SOC+AAP群ではアビラテロン1000mg、プレドニゾン5mgを毎日投与した。検討の主要評価項目は全生存期間(OS)、副次的評価項目は、治療成功生存期間(FFS)、無増悪生存期間(PFS)、無転移生存期間(MFS)などだった。統計学的には、ハザード比が1未満であればSOC+AAP群が良好、1を超えればSOC+DocP群が良好とされた。

 両群の患者背景はバランスがとれており、M1は342人(60%)、Gleasonスコアが8-10の患者は429人(76%)、WHO PS 0の患者は449人(79%)だった。年齢中央値は66歳、PSA中央値は56ng/mLだった。

 追跡期間中央値は4年で、計149人が死亡した(SOC+DocP群44人、SOC+AAP群105人)。OSのハザード比は1.16(95%信頼区間:0.82-1.65)、p=0.40となった。M0とM1でみると、M0のハザード比は1.51、p=0.40、M1のハザード比は1.13、p=0.53だった。

 FFS(PSA再発で判定)のハザード比は0.51(95%信頼区間:0.39-0.67)、p<0.001となった。M0のハザード比は0.34、p=0.03、M1のハザード比は0.56、p<0.001だった。

 PFSのハザード比は0.65(95%信頼区間:0.48-0.88)、p=0.005となった。M0のハザード比は0.42、p=0.06、M1のハザード比は0.69、p=0.02だった。

 MFSのハザード比は0.77(95%信頼区間:0.57-1.03)、p=0.08となった。M0のハザード比は0.91、p=0.82、M1のハザード比は0.76、p=0.09だった。

 症候性骨関連有害事象(SRE)のハザード比は0.83(95%信頼区間:0.55-1.25)、p=0.38となった。M0のハザード比は1.28、p=0.77、M1のハザード比は0.82、p=0.35だった。

 グレード3以上の毒性は、SOC+DocP群では50%、SOC+AAP群では48%に発現した。SOC+DocP群では、グレード3以上の発熱性好中球減少症と好中球減少症がそれぞれ17%と13%に発現したが、SOC+AAP群では各1%だった。グレード3以上の心血管障害(高血圧、心筋梗塞など)は、SOC+DocP群は3%、SOC+AAP群は9%で観察された。グレード3以上の肝障害はそれぞれ1%と9%に認められた。グレード3以上の有害事象は、両群ともに1年目は11%、2年目も11%で観察された。

 ベースラインにおけるM1の割合については、SOCとSOC+DocPの比較、SOCとSOC+AAPの比較、そして今回の比較で差はみられなかった。

 Sydes氏は今回の検討の優れた点として、直接比較であることと前向きに収集したデータであることを挙げた。一方、限界としては、統計学的に検出力が弱いこと、追跡期間がまだ4年間と短いことを挙げた。

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