このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2017/9/11

進行大腸癌への1次治療としてのS-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用はRAS野生型、変異型の両方で有効【ESMO2017】

横山勇生

 進行大腸癌に対する1次治療として、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法を行ったTRICOLORE試験で、無増悪生存期間(PFS)の延長効果はRAS遺伝子の状態にかかわらず認められることが明らかとなった。PFSはRAS変異型患者よりもRAS野生型の方が良好で、RAS野生型の中央値は約16カ月となった。9月8日から12日までスペイン・マドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)で、北海道大の小松嘉人氏によって発表された。

 TRICOLORE試験は、PS 0または1の20歳以上の進行大腸癌患者を、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法群(3週おき投与法と4週おき投与法の2種類)とmFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群(mFOLFOXの場合は2週おき、CapeOXの場合は3週おき)に無作為に割り付けて行われた。層別化因子は、施設、術後補助化学療法(なし、オキサリプラチンを含むレジメン、オキサリプラチンを含まないレジメン)、転移臓器数(0か1、2以上)だった。主要評価項目はPFS。副次評価項目は、全生存期間(OS)、奏効率、治療成功期間(TTF)、相対用量強度、副作用、QOLなどだった。試験は非劣性試験として設計され、非劣性が証明されれば、優越性を評価することになっていた。非劣性のハザード比の上限は1.25だった。

 試験は2012年6月1日から2014年9月16日まで行われ、53施設487人の進行大腸癌患者が登録された。適格基準からはずれていた患者、同意を撤回した患者を除き、full analysis setとして、244人がmFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群、243人がIRIS+バシズマブ併用療法群に割り付けられた。両群の患者背景に大きな差はなかった。なお、原発巣から得られた腫瘍検体のRAS遺伝子の状態について中央判定が行われた。

 データカットオフが2016年4月30日で、観察期間中央値は32.4カ月(1.5-46.6)。PFS中央値はmFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群が10.8カ月(95%信頼区間:9.6-11.6)、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法群が14.0カ月(95%信頼区間:12.4-15.5)、ハザード比0.84(95%信頼区間:0.70-1.02)で、非劣性が証明された(p<0.001)。

 RAS遺伝子の状態は、野生型がmFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群で99人(40.7%)、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法群が105人(43.6%)、変異型がmFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群で65人(26.7%)、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法群が58人(24.1%)だった。

 RAS遺伝子野生型患者におけるPFS中央値は、mFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群が11.6カ月(95%信頼区間:9.7-13.8)、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法群が15.9カ月(95%信頼区間:12.4-18.0)だった。ハザード比0.80(95%信頼区間:0.59-1.08)で非劣性が証明された(p=0.002)

 RAS遺伝子変異型患者におけるPFS中央値は、mFOLFOX/CapeOx、ベバシズマブ併用療法群が9.3カ月(95%信頼区間:7.8-10.8)、S-1、イリノテカン、ベバシズマブ併用療法群が11.3カ月(95%信頼区間:9.6-13.6)だった。ハザード比0.79(95%信頼区間:0.54-1.15)で非劣性が証明された(p=0.009)。

この記事を友達に伝える印刷用ページ