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2017/7/24

ASCOが癌治療薬コストへの対応に関する声明を発表

八倉巻尚子=医学ライター

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、癌治療薬の価格上昇に伴い、治療薬の購入のしやすさ(affordability)に関して、国家的な協議に貢献することを目的とした声明を7月19日に発表した。この声明では、いかなる解決策も患者の治療アクセスを維持し、イノベーションを促進するものでなければならないと強調している。

 この声明で、ASCOは提案された幅広い選択肢を分析するととともに、効果的な提案を決定し、また薬の価値を評価するための統一したアプローチを開発するため、関係者(Stakeholder)からなる委員会が設立されることを推奨している。

 ASCOによれば、新しい癌治療薬には年間10万ドル以上の費用がかかる。既存の治療の価格も上昇しており、保険に加入している患者にとっても深刻な財政難を引き起こしている。癌治療費用の中で薬の割合は増加しており、2010年から2020年に25%以上増加すると予想されている。

 ASCO会長のClifford A. Hudis氏は、「癌治療医として、患者が適切な時期に適切な薬を受け取れるようにする責任があるが、それだけではコストを抑えることはできない。患者の費用負担に取り組むために我々は国の指導者が必要である」と述べている。

 これまでにも価格上昇に対応するためにさまざまな解決策が提案されているが、十分には検証されておらず、購入のしやすさを増すものはほとんどなく、適切な使用を制限するなどの悪影響を及ぼすものであったとしている。

 そこで癌治療薬の購入しやすさに関するASCOの声明では、メディケアでの薬価格の交渉から、薬の輸入の合法化、包括支払い制度まで、広範なコスト削減提案をしている。

 特にASCOはヘルスケア部門の関係者が、癌治療薬の購入しやすさに対応するため、(1)解決策を見つけ、優先順位をつけ、検証すること、 (2)薬の価値を評価するための標準的なアプローチを定義づけることを提案する。「エビデンスベースの解決策がなければ、薬剤の価格設定は明らかに複雑すぎかつ政治的なもので、取り組むことができない」とHudis氏は述べている。

 新たなクラスの薬剤は、多くの癌において前例のない成功を収めているが、新薬の価格はその有効性とは関係がない場合もある。米国食品医薬品局(FDA)による承認を最近受けた癌治療薬のうち、高価格にもかかわらず、患者にとって臨床的に意味のあるアウトカムをもたらした薬剤は19%であるという研究もある(Kumar, H., Fojo, T., Mailankody, S. JAMA Oncol. 2016;2:1238-1240)

 そのためASCOは、大規模試験で統計的な有意性を達成するという小さなベネフィットよりも、FDAは薬の評価には臨床的に意味のあるアウトカムを検討することを提案している。なお2014年にASCOは癌の臨床試験に関し、臨床的に意味のある成果の定義を推奨する声明を発表している。

 またメディケアは、プロバイダがより価値の高い薬を使用し、製薬企業は価値の高い治療法を開発するように設計された"value-based pathway"アプローチの実現可能性を検証することをASCOは提案している。

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