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2017/6/6

トラスツズマブと内分泌療法後のHER2陽性ホルモン受容体陽性乳癌にはHER2二重阻害とホルモン剤併用も選択肢【ASCO2017】

横山勇生

 閉経後HER2陽性ホルモン受容体陽性進行乳癌で、トラスツズマブと内分泌療法を受けた患者に対する化学療法を使わない選択肢として、ラパチニブ、トラスツズマブとアロマターゼ阻害薬の併用投与が可能であることが明らかとなった。術前、術後補助療法もしくは1次治療でトラスツズマブと化学療法を受けた患者を対象に、ラパチニブ、トラスツズマブとアロマターゼ阻害薬(AI)の併用群と、トラスツズマブとAI併用群、ラパチニブとAIの併用群とを比較したフェーズ3試験ALTERNATIVEの結果、ラパチニブ、トラスツズマブとAIの併用投与群がトラスツズマブ+AI併用投与群よりも、有意に無増悪生存期間(PFS)を延長したことが示されたもの。

 6月2日から6日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2017)で、米Robert H. Lurie Cancer Center of Northwestern UniversityのWilliam John Gradishar氏によって発表された。

 ALTERNATIVE試験は、術前、術後または転移癌に対する1次治療としてトラスツズマブと内分泌療法を受けた患者で、閉経後HER2陽性ホルモン受容体陽性進行乳癌患者を、ラパチニブ(1日あたり1000mg投与)、トラスツズマブ(3週おきに投与、1回目は8mg/kgで2回目以降は6mg/kg投与)とAIの併用群(L+T群)、トラスツズマブとAI併用群(T群)、ラパチニブとAIの併用群(L群)に1対1対1で割りつけて行われた。

 AIの種類は医師の選択に任されていた。HER2とホルモン受容体の状態の確認は各地域で行われた。化学療法を希望した患者は対象から排除された。主要評価項目は、L+T群のT群に対するPFSでの優越性、副次評価項目は、T群とL群のPFSの比較、全生存期間(OS)、奏効率、安全性などだった。

 試験には29カ国112施設で369人が登録され、355人のデータが今回の解析に用いられた、データカットオフは2016年3月11日で、L+T群が120人、T群が117人、L群が118人だった。患者背景に差はなかった。PFSの最終解析は137イベントが発生した後に行われた。

 試験の結果、PFS中央値はL+T群が11カ月(95%信頼区間:8.3-13.8)、T群が5.7カ月(95%信頼区間:5.5-8.4)で、L+T群のT群に対するハザード比は0.62(95%信頼区間:0.45-0.88)、p=0.0064で有意にL+Tが良好で、主要評価項目は達成された。サブグループ解析ではいずれもL+T群が優位だった。

 なおL群のPFS中央値は8.3カ月(95%信頼区間:5.8-11.2)だった。PFSのL群のT群に対するハザード比は0.71(95%信頼区間:0.51-0.98)、p=0.0361でL群の方が良かった。

 OS中央値は、L+T群が46.0カ月(95%信頼区間:40.0-)、T群が40.0カ月(95%信頼区間:23.0-)、L群が45.1カ月(95%信頼区間:22.3-)で、T群に対するハザード比はL+T群が0.60(95%信頼区間:0.35-1.04)、p=0.070、L群が0.82(95%信頼区間:0.49-1.36)、p=0.440だった。

 奏効率は、L+T群が31.7%(95%信頼区間:23.5-40.8)、T群が13.7%(95%信頼区間:8.0-21.3)、L群が18.6%(95%信頼区間:12.1-26.9)で、T群に対するL+T群のオッズ比は2.83(95%信頼区間:1.43-5.89)、p=0.0017でL+T群の方が有意に高く、T群に対するL群のオッズ比は1.492(95%信頼区間:0.69-3.3)、p=0.2829)でL群の方が良好だった。

 多く認められた副作用は、下痢(L+T群が69%、T群が9%、L群が51%)、皮疹(36%、2%、28%)、吐き気(22%、9%、22%)などだった。治療関連の重篤な副作用の発現率は、5%、2%、4%、治療中の死亡は3%、4%、5%だった。

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