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2017/6/5

BRCA遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳癌にPARP阻害薬olaparibが化学療法よりも有効【ASCO2017】

横山勇生

 生殖細胞系BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳癌に対して、PARP阻害薬であるolaparibの単剤投与は、化学療法よりも有効であることが明らかとなった。フェーズ3試験OlympiAD試験の結果、医師選択化学療法群に比べて、olaparib投与群で無増悪生存期間(PFS)が統計学的に有意に延長できることが示されたもの。6月2日から6日まで米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2017)のプレナリーセッションで、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのMark E.Robson氏によって発表された。

 OlympiAD試験は無作為化オープンラベルフェーズ3試験で、生殖細胞系BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳癌患者を対象に行われた。転移癌に対する化学療法歴数が2以下の患者がolaparib群(1日2回300mgを経口投与)と医師選択化学療法群(カペシタビン、ビノレルビン もしくはエリブリンのいずれか1つ。21日間を1サイクルとして、カペシタビンの場合は1日目から14日目まで2500mg/m2を投与、ビノレルビンの場合は1日目と8日目に30mg/m2を投与、エリブリンの場合は1日目と8日目に1.4mg/m2を投与)に2対1で割りつけられた。投薬は病勢が進行するか忍容不能な副作用が発現するまで行われた。主要評価項目は、盲検化された独立中央判定委員会によるPFSだった。

 試験には302人が登録され、olaparib群は205人、化学療法群は91人が投薬を受けた。解析の結果、PFSについてのolaparib群の化学療法群に対するハザード比は0.58(95%信頼区間:0.43-0.80)、p=0.0009で有意にOlaparib群が良かった。中央値はolaparib群が7.0カ月、化学療法群が4.2カ月だった。

 化学療法歴のある患者において、olaparib群の化学療法群に対するPFSのハザード比は0.65(95%信頼区間:0.47-0.91)、化学療法歴のない患者において、olaparib群の化学療法群に対するPFSのハザード比は0.56(95%信頼区間:0.34-0.98)だった。

 ホルモン受容体陽性患者において、olaparib群の化学療法群に対するPFSのハザード比は0.82(95%信頼区間:0.55-1.26)、トリプルネガティブ患者において、olaparib群の化学療法群に対するPFSのハザード比は0.43(95%信頼区間:0.29-0.63)だった。

 白金系抗癌剤の治療歴がある患者において、olaparib群の化学療法群に対するPFSのハザード比は0.67(95%信頼区間:0.41-1.14)、治療歴がない患者においてolaparib群の化学療法群に対するPFSのハザード比は0.60(95%信頼区間:0.43-0.84)だった。

 研究グループの評価による2度めの増悪までの時間はハザード比0.57(95%信頼区間:0.40-0.83)、p=0.0033でolaparib群の方が有意に長かった。中央値はolaparib群が13.2カ月、化学療法群が9.3カ月だった。

 全生存期間(OS)の中間解析の結果、中央値はolaparib群が19.3カ月、化学療法群が19.6カ月、ハザード比0.90(95%信頼区間:0.63-1.29)、p=0.5665で差はなかった。

 奏効率はolaparib群が60%(完全奏効が9%)、化学療法群が29%(2%)だった。奏効期間中央値はolaparib群が6.2カ月(4.6−7.2)、化学療法群が7.1カ月(2.8-12.2)だった。

 グレード3以上の副作用はolaparib群の36.6%、化学療法群の50.5%に発現した。副作用による中止はolaparib群が4.9%、化学療法群が7.7%だった。

 健康関連QOL(EORTC QLQ-C30)の調整後の変化の平均はolaparib群が3.9、化学療法群が−3.6で有意な差があった(p=0.0035)。健康関連QOL悪化までの時間も有意にolaparib群が長かった。

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