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2017/5/8

オシメルチニブは化学療法よりもT790M変異陽性NSCLCの症状悪化を遅らせ患者のQOLを改善【ELCC2017】

横山勇生

 第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブは、化学療法に比べて、EGFR変異陽性T790M変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者の胸痛、呼吸困難などの症状が悪化するまでの時間を長くすることができ、患者のQOLを改善できることが明らかとなった。進行NSCLCに対してオシメルチニブ80mg投与と化学療法を比較したフェーズ3試験、AURA3の患者報告アウトカム(PRO)解析の結果示されたもの。5月5日から8日までスイス・ジュネーブで開催されているEuropean Lung Cancer Conference(ELCC2017)で、オーストラリアSt George Hospital Cancer Care CentreのC.K.Lee氏によって発表された。

 Lee氏らは、13の項目からなるQLQ-LC13を用いて肺癌特異的な症状を評価した。また、30の項目からなる質問票であるEORTCのQLQ-C30を用いて、一般的な癌の症状、機能、健康状態を評価した。QLQ-LC13はベースライン、6週間までは毎週、その後3週間おきに、試験の終了、増悪時まで評価された。QLQ-C30は、ベースラインと試験の終了、増悪時まで6週おきに評価された。

 オシメルチニブ投与群と化学療法群で症状の悪化までの時間と症状の改善について比較を行った。対象は18日間以上を空けて2回以上の評価が可能だった患者とした。悪化と改善はベースラインから10以上のスコアのプラスの変化とマイナスの変化と定義した。

 咳(LC13)、胸痛(LC13)、呼吸困難(LC13)、倦怠感(C30)、食欲低下(C30)について、ベースライン時のスコアは両群に大きな差はなかった。

 解析の結果、オシメルチニブ群で症状が悪化するまでの時間が長かった。オシメルチニブ群の化学療法群に対する咳についての悪化までの時間のハザード比は0.74(95%信頼区間:0.53−1.05)、p=0.090、時間の中央値はオシメルチニブ群が8.3カ月(95%信頼区間:6.1-NC)、化学療法群が6.1カ月(95%信頼区間:1.1-11.0)だった。胸痛についてのハザード比は0.52(95%信頼区間:0.37-0.73)、p<0.001、中央値はオシメルチニブ群が12.4カ月(95%信頼区間:8.2-NC)、化学療法群が2.1カ月(95%信頼区間:0.8-11.0)だった。呼吸困難についてのハザード比は0.42(95%信頼区間:0.31-0.58)、p<0.001、中央値はオシメルチニブ群が6.1カ月(95%信頼区間:4.1-8.9)、化学療法群が0.6カ月(95%信頼区間:0.4−1.0)だった。

 倦怠感についてのハザード比は0.66(95%信頼区間:0.47-0.91)、p=0.011、悪化するまでの時間の中央値はオシメルチニブ群が5.6カ月(95%信頼区間:4.1-8.3)、化学療法群が2.7カ月(95%信頼区間:1.4-5.5)だった。食欲低下についてのハザード比は0.46(95%信頼区間:0.32-0.67)、p<0.001、悪化するまでの時間の中央値はオシメルチニブ群が15.0カ月(95%信頼区間:9.6-NC)、化学療法群が4.3カ月(95%信頼区間:2.8-6.9)だった。

 症状の改善もオシメルチニブ群で多く認められた。咳について症状の改善率の化学療法群に対するオシメルチニブ群のオッズ比は1.51(95%信頼区間:0.87-2.61)、p=0.144。胸痛については、オッズ比1.66(95%信頼区間:0.83-3.34)、p=0.149、呼吸困難については、オッズ比2.71(95%信頼区間:1.60-4.68)、p<0.001、倦怠感については、オッズ比1.96(95%信頼区間:1.20-3.22)、p=0.008、食欲低下については、オッズ比2.50(95%信頼区間:1.31-4.84)、p=0.006だった。

 健康状態(global Health Status)の改善率もオシメルチニブ群が高く、オッズ比2.11(95%信頼区間:1.24-3.67)、p=0.007だった。5つの機能ドメインについてもオシメルチニブ群の改善率が高かった。

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