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2016/9/7

非小細胞肺癌の切除・定位放射線療法が不適な脳転移への全脳照射は若年者以外は行わなくても良い

横山勇生

 非小細胞肺癌の脳転移があり切除や定位放射線療法が適さない患者に、デキサメタゾンと支持療法に加えて全脳照射を行っても、若年者以外はデキサメタゾンと支持療法のみの場合に比べて、QALY(質調整生存年)、全生存期間(OS)、QOLに大きな改善が認められないことが明らかとなった。フェーズ3試験QUARTZの結果示されたもの。Lancet誌Online版に9月4日に掲載されるとともに、9月3日から7日までロンドンで開催されている欧州呼吸器学会議(ERS2016)で英国Northern Centre for Cancer CareのPaula Mulvenna氏によって発表された。

 非小細胞肺癌の脳転移患者への全脳照射とデキサメタゾン投与は広く用いられているが、無作為化臨床試験でQOLやOSの改善を示したことはなかった。QUARTZ試験は全脳照射を除くことができるかを検証するために行われた。

 QUARTZ試験は非劣性フェーズ3試験で、英国の69施設とオーストラリアの3施設で実施された。非小細胞肺癌の脳転移があり切除や定位放射線療法が適さない患者を、最適支持療法(OSC、デキサメタゾン投与を含む)に全脳照射(WBRT、毎日5照射で20Gy)を行う群(OSC+WBRT群)とOSCのみ群に無作為に1対1で割りつけた。主要評価項目はQALYで、OSと患者に対して行われたEQ-5DによるQOLで算出された。OSCのみ群のQALY日がOSC+WBRT群に比べて7日未満であれば非劣性であると設定した。

 2007年3月2日から2014年8月29日までに538人の患者が割り付けられた。両群の患者背景に大きな差はなかった。患者の年齢中央値は66歳(38-85)だった。

 試験の結果、OS、全体のQOL、デキサメタゾンの使用について両群で差はなかった。OSのハザード比は1.06(95%信頼区間:0.90-1.26)だった。ただし、サブグループ解析で若年者、特に60歳未満の患者ではOSC+WBRT群の方がOSは良好だった。OSC+WBRT群のQALY日は46.4日、OSCのみ群は41.7日で、差は4.7日、両側90%信頼区間は-12.7から3.3で非劣性となった。

 WBRTを受けた患者では、眠気、脱毛、吐き気、頭皮の乾燥、かゆみが有意に多く発現したが、重篤な副作用の発生率は両群で差がなかった。

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