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2016/9/6

シスチン・テアニンの経口投与は癌の支持療法として有効である可能性

横山勇生

 アミノ酸シスチン・テアニンの経口投与が、癌の支持療法として有効である可能性が明らかとなった。各種抗癌剤投与症例の口内炎に対する治療効果を調べた臨床研究とS-1投与時の副作用軽減効果を調べた臨床研究の結果示されたもの。9月3日から4日に都内で開催された日本がんサポーティブケア学会学術集会で、仙台市医療センター仙台オープン病院院長の土屋誉氏によって発表された。

 シスチン・テアニンは、生体内で抗酸化作用や免疫調節作用を持つグルタチオンを増加させることが明らかになっている。アミノ酸シスチンとテアニンの摂取で強い運動負荷時の免疫抑制の改善、風邪症状の抑制、周術期(手術前後のすべての時期)の過剰な炎症を抑制することが示されているという。

 最初の臨床研究は、各種の化学療法中(FOLFIRI±分子標的薬6人、FOLFOX±分子標的薬4人、FEC2人、ゲムシタビン、S-1+シスプラチン、イリノテカン、HPT、UFT/UZELが各1人)に口内炎を発症した17人(大腸癌12人、乳癌3人、胃癌1人、胆管癌1人)に、シスチン700mg、テアニン280mgを毎日1カ月間経口投与して、CTCAEv4.0で評価した。

 シスチン・テアニン経口投与前の口内炎の程度は、グレード3が5人(29.4%)、グレード2が3人(17.6%)、グレード1が9人(52.9%)だった。それが、シスチン・テアニン投与後はグレード2が1人(5.9%)、グレード1が7人(41.2%)、グレード0が9人(52.9%)となり、軽快が11人(64.7%)、不変が5人(29.4%)、悪化が1人(5.9%)だった。痛みがあった13人中12人が軽快(30.8%)または消失(61.5%)となった。

 2つ目の臨床研究は、胃癌、大腸癌の術後補助化学療法としてS-1を服用する症例を、無作為にシスチン・テアニン投与群(35人)、非投与群(35人)に分けて行われた。患者にはS-1を4週投与2週休薬のスケジュールで投与し、シスチン・テアニン投与群にはS-1投与前1週からS-1投与終了までの5週間毎日シスチン700mg、テアニン280mgを経口投与した。

 研究の解析対象はシスチン・テアニン投与群が32人、非投与群が31人だった。グレード2以上の副作用の発現は、口内炎がシスチン・テアニン投与群3.1%、非投与群12.9%、食欲不振がシスチン・テアニン投与群6.3%、非投与群19.4%、悪心がシスチン・テアニン投与群3.1%、非投与群9.7%、下痢がシスチン・テアニン投与群3.1%、非投与群25.8%、倦怠感がシスチン・テアニン投与群0%、非投与群12.9%、顆粒球減少がシスチン・テアニン投与群9.7%、非投与群14.8%となり、シスチン・テアニン投与群で低かった。下痢については有意に低かった(p<0.05)。

 S-1服用1クール完遂率は、シスチン・テアニン投与群が75.0%、非投与群が35.5%と投与群で有意に高かった(p=0.002)。1クール投与日数もシスチン・テアニン投与群が24.75±5.74日、非投与群が19.97±7.58日で有意に投与群で良好だった(p=0.007)。

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