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2016/5/27

KRAS変異を有する肺がんへの新たな分子標的治療の可能性

 金沢大学がん進展制御研究所腫瘍内科研究分野准教授の衣斐寛倫氏および同教授の矢野聖二氏らは、KRAS遺伝子変異を有する肺がんに対し、新たな分子標的治療を実施できる可能性があることを見出したと明らかにした。KRAS遺伝子変異肺がんに対しては現在、MEK阻害薬の臨床試験が行われているが、その効果は十分ではなかったため、新たな可能性として注目される。

 これは、KRAS変異肺がんを腫瘍細胞の上皮間葉移行状態によって上皮系と間葉系の2種類に分類し、その結果に基づいて薬剤を使い分けることで、抗腫瘍効果を増強できるというもの。多くのがんは上皮系細胞から発生するが、組織浸潤や転移の際に、上皮細胞が間葉細胞の性質を得て細胞移動する現象を上皮間葉移行という。

 衣斐氏らは、MEK阻害薬が生体内シグナルを一定に保つためのフィードバック機構を誘導し、細胞表面受容体を再活性化させることを明らかにした。再活性化を引き起こす細胞表面受容体は、上皮間葉移行の状態によって異なっており、それぞれの細胞状態に対応した細胞表面受容体阻害薬とMEK阻害薬を同時投与することで、腫瘍の縮小が得られたという。

 これにより、KRAS変異肺がんに対し、まず上皮間葉移行状態を調べ、その結果に基づいて個別化した細胞表面受容体阻害薬とMEK阻害薬の併用療法を行う新たな治療法が有用である可能性が示唆された。上皮間葉移行状態の検査には既に免疫染色による判別が日常臨床で使用されており、各治療薬についてもそれぞれ開発が進んでいるところだ。

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