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2015/12/21

EGFR陽性NSCLCの1次治療でアファチニブがPFSを改善、ゲフィチニブとの直接比較【ESMO ASIA2015】

森下紀代美=医学ライター

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療として、アファチニブとゲフィチニブを初めて直接比較したフェーズ2bのLUX-Lung7試験から、ゲフィチニブよりもアファチニブが無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、奏効率を有意に改善したことが明らかになった。12月18日から21日までシンガポールで開催されているESMO ASIA 2015で、韓国Samsung Medical CenterのKeunchil Park氏が発表した。

 LUX-Lung7試験は、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者を対象として、EGFRを標的とする2剤を直接比較して評価する、初の前向き、国際的なランダム化比較試験。

 同試験の対象は、IIIB/IV期の肺腺癌で、腫瘍組織にEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失変異[Del19]および/またはL858R変異)が確認された、進行または転移に対する治療歴のない患者だった。

 アファチニブ40mgを1日1回経口投与する群(アファチニブ群)、またはゲフィチニブ250mgを1日1回経口投与する群(ゲフィチニブ群)に、患者を1対1でランダムに割り付けた。試験担当医師が有益と判断した場合は増悪後も治療の継続が認められた。主要評価項目は3つで、PFS(独立審査委員会による評価)、TTF、全生存期間(OS)だった。

 今回は、主要評価項目の中でも重要とされたPFSの結果が発表された。PFSの追跡期間中央値は27.3カ月となり、解析時には多くの患者が試験治療を中止していたため、TTFや安全性の結果も併せて発表された。

 同試験には、2011年12月から2013年8月までに北米や欧州、アジアなど13カ国の64施設から319人が登録され、アファチニブ群160人、ゲフィチニブ群159人となった。解析の時点でアファチニブ群の12.5%、ゲフィチニブ群の6.3%が治療を継続していた。

 患者背景は、女性の割合がゲフィチニブ群でやや多かったことを除き、両群でバランスがとれていた。年齢中央値は両群で63歳、男女比はアファチニブ群43/57%、ゲフィチニブ群33/67%、非アジア人はそれぞれ41%と45%、Del19とL858R変異を認めた患者は両群ともにそれぞれ58%と42%だった。

 結果として、アファチニブ群で増悪のリスクが27%低下することが明らかになった。PFS中央値は、アファチニブ群11.0カ月、ゲフィチニブ群10.9カ月、ハザード比0.73(95%信頼区間:0.57-0.95)となり、アファチニブ群で有意に改善した(p=0.0165)。

 PFSの改善は経時的に顕著となることも示された。18カ月時の無増悪生存率は、アファチニブ群27%、ゲフィチニブ群15%(p=0.0176)、24カ月時にはそれぞれ18%と8%となり、アファチニブ群で約2倍となった(p=0.0184)。PFSに対するアファチニブの有用性は、EGFR遺伝子変異の状態を含むすべてのサブグループでも一致していた。

 TTFもアファチニブ群で有意に改善した。TTF中央値は、アファチニブ群13.7カ月、ゲフィチニブ群11.5カ月、ハザード比0.73(95%信頼区間:0.58-0.92)となった(p=0.0073)。

 奏効率は、アファチニブ群70%、ゲフィチニブ群56%となった(p=0.0083)。奏効期間中央値は、アファチニブ群10.1カ月(95%信頼区間:7.8-11.1)、ゲフィチニブ群8.4カ月(95%信頼区間:7.4-10.9)だった。

 さらに、アファチニブによるPFSと奏効率の改善は、Del19を有する患者集団とL858R変異を有する患者集団の両方で認められた。

 両群で観察された有害事象は過去の経験と一致しており、予測可能かつ管理可能だった。薬剤に関連する有害事象はアファチニブ群の97.5%、ゲフィチニブ群の96.2%に発現し、有害事象による減量はアファチニブ群の41.9%、ゲフィチニブ群の1.9%で行われたが、有害事象により投与中止に至ったのは両群ともに6.3%だった。

 毒性プロファイルはやや異なり、グレード3の有害事象で多かったのは、アファチニブ群では下痢(11.9%)、発疹/ざ瘡(9.4%)、口内炎(4.4%)など、ゲフィチニブ群ではALT値上昇(7.5%)、AST値上昇(2.5%)などだった。

 Park氏は「本試験により、EGFR遺伝子変異陽性NSCLCのファーストライン治療として、不可逆的にErbBを阻害するアファチニブがEGFRを可逆的に阻害するゲフィチニブよりも有用性で上回ることが確認された」と結論した。同試験のOSについては、2016年に解析が行われる予定である。

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