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2015/12/11

HER2陽性早期乳癌の術後療法でトラスツズマブ投与は長期観察でも有効【SABCS2015】

横山勇生

 HER2陽性早期乳癌の術後療法としてトラスツズマブを投与することは、中央値11年間の長期観察でも有効であることが明らかとなった。国際多施設無作為化フェーズ3試験HERAの最終解析の結果、示されたもの。12月8日から12日まで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2015)で、ドイツSana Klinikum OffenbachのJackisch C氏によって発表された。

 HERA試験は、HER2陽性乳癌で、術前もしくは術後に化学療法と必要に応じて放射線療法を行った患者を無作為化し、観察群、トラスツズマブ1年投与群、2年投与群の3群に割り付けた。ホルモン受容体の状態、内分泌療法の有無で層別化されていた。中央判定で確認されたHER2陽性の早期乳癌患者5102人が、2001年12月から2005年6月までに観察群(1698人)、トラスツズマブ1年投与群(1703人)、2年投与群(1701人)に割り付けられた。ホルモン受容体陽性患者が50%、陰性患者が50%だった。52%の患者が無作為化の時点で49歳以下。患者の97%はアントラサイクリン系抗癌剤ベースの化学療法を受けた。主要評価項目は無病生存(DFS)。副次評価項目は全生存(OS)と安全性だった。

 2005年の中間解析で効果が確認されたあと、観察群1698人中884人がトラスツズマブ投与にクロスオーバーしたが、観察群として評価が継続された。

 試験の最終解析の結果、観察期間中央値11.0年で、トラスツズマブ2年投与群のDFSイベント発生数は518、1年投与群は505で、観察群は608だった。トラスツズマブ2年投与群の観察群に対するハザード比は0.77(95%信頼区間:0.69-0.87)、p<0.0001で有意にトラスツズマブ群が良く、トラスツズマブ1年投与群の観察群に対するハザード比は0.76(95%信頼区間:0.68-0.86)、p<0.0001で有意にトラスツズマブ群が良かった。トラスツズマブ1年投与群と2年投与群の間には差がなかった。

 OSイベント発生数はトラスツズマブ2年投与群が312、1年投与群は320で、観察群は405だった。トラスツズマブ2年投与群の観察群に対するハザード比は0.72(95%信頼区間:0.62-0.83)、p<0.0001で有意にトラスツズマブ群が良く、トラスツズマブ1年投与群の観察群に対するハザード比は0.74(95%信頼区間:0.64-0.86)、p<0.0001で有意にトラスツズマブ群が良かった。トラスツズマブ1年投与群と2年投与群の間には差がなかった。

 観察期間別のトラスツズマブ1年投与群と観察群のDFSのハザード比を調べたところ、観察期間中央値1年(クロスオーバー0%)で0.54、2年(クロスオーバー4.3%)で0.64、4年(クロスオーバー33.8%)で0.76、8年(クロスオーバー48.6%)で0.76、11年(クロスオーバー53.6%)で0.76と、4年以降はトラスツズマブのDFSの改善効果は一定に維持されていた。

 ホルモン受容体が陽性でも陰性でもトラスツズマブの効果が認められたが、DFSイベント発生のタイミングと率が異なっていた。陰性患者では3群とも陽性患者よりも早期にDFSイベントが起こり、観察群では陰性患者でより多くのイベントが起きていた。

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