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2015/12/7

FLT3変異持つ若年AMLで標準化学療法にmidostaurinを加えるとOS、EFSが有意に延長【ASH2015】

横山勇生

 FLT3変異を有する18歳から60歳の新規診断急性骨髄性白血病(AML)患者に対して、標準的な化学療法にマルチキナーゼ阻害薬であるmidostaurin(PKC412)を加えた治療法は、プラセボを加えた治療法よりも有意に無イベント生存期間(EFS)と全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。プラセボ対照国際前向き無作為化二重盲検フェーズ3試験、RATIFY (CALGB 10603) の結果示されたもの。12月5日から8日までオーランドで開催されている米国血液学会(ASH2015)のプレナリーセッションで、米Dana-Farber Cancer InstituteのRichard M.Stone氏によって発表された。

 midostaurinは低分子FLT3阻害薬で、AMLの25%から30%で起きるITD(internal tandem duplications)変異と、5%から10%で起きるTKD(チロシンキナーゼドメイン)変異のどちらも阻害することができる。

 RATIFY試験の目的は、若年のFLT3変異を持つAML患者への標準化学療法による寛解導入療法(ダウノルビシン/シタラビン)、地固め療法(高用量シタラビン)×4回へのmidostaurin追加、維持療法としてのmidostaurin1年間投与の効果を調べることだった。

 2008年5月から2011年10月までに17カ国225施設の未治療のAML患者(急性前骨髄球性白血病を除く)3279人が、9カ所の検査室のうち1つでFLT3変異の有無を調べられた。患者は検査結果を待つ間、5日間までハイドロキシウレア投与が認められた。患者はTKDを有する患者、ITDのアレル比が低い患者、高い患者に層別化された。

 寛解導入療法は1日目から3日目までのダウノルビシン60mg/m2投与と1日目から7日目までのシタラビン200mg/m2投与が行われ、8日目から22日目まで1日2回midostaurin50mg投与かプラセボ投与が行われた。21日目の骨髄検査でAMLの残存が認められた時には再治療が認められていた。完全寛解(CR)が得られた患者では地固め療法として、1日目、3日目、5日目に12時間おきにシタラビン3g/m2が3時間をかけて投与され、8日目から22日目まで1日2回のmidostaurin50mg投与かプラセボ投与が行われた。地固め療法は最大4サイクル行われた。さらに1年間midostaurin50mg投与かプラセボ投与が維持療法として行われた。幹細胞移植を受けることも認められていた。主要評価項目は全患者におけるOSだった。

 スクリーニングの結果、FLT3変異を有する717人がmidostaurinを投与される群(M群、360人)とプラセボを投与される群(P群、357人)に割り付けられた。M群は年齢中央値が47.1歳(19.0-59.8)、男性が48.1%、FLT3TKD変異患者22.5%、FLT3ITD低頻度患者47.5%、FLT3ITD高頻度患者30.0%だった。P群は年齢中央値が48.6歳(18.0-60.9)、男性が40.6%、FLT3TKD変異患者22.7%、FLT3ITD低頻度患者47.6%、FLT3ITD高頻度患者29.7%だった。性別以外に患者背景に差はなかった。

 2015年4月1日にデータカットオフが行われ、生存患者に対する観察期間中央値は56.7カ月(0.1-79.2)だった。

 試験の結果、60日までのCR率はM群が59%、P群が53%だった。CRまでの時間の中央値はM群、P群ともに35日(20-60)だった。寛解導入療法/地固め療法でCRとなったのはM群が66%、P群が59%で、CRまでの時間の中央値はM群が37日(20-99)、P群が36日(20-112)だった。

 OS中央値はM群が74.7カ月(95%信頼区間:31.7-NE)、P群が25.6カ月(同:18.6−42.9)、ハザード比0.77、片側p値(log-rank)=0.0074でM群で有意に優れていた。4年生存率はM群が51.4%(95%信頼区間:46-57)、P群が44.2%(同:39-50)だった。

 EFS中央値はM群が8.0カ月(95%信頼区間:5.1-10.6)、P群が3.0カ月(同:1.9−5.9)、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.67-0.95)、片側p値(log-rank)=0.0025でM群で有意に優れていた。4年EFS率はM群が27.6%、P群が20.2%だった。FLT3の変異の種類別のサブグループ解析でも、EFS、OSともにM群で優れていた。

 408人(M群212人、P群196人)が幹細胞移植を受けたが、OSは同様にM群で優れていた。1回目のCR時に移植した患者ではM群が優れていたが、その後に移植した患者ではOSに差はなかった。

 寛解導入療法/地固め療法でCRとなった患者の無病生存期間(DFS)中央値は、M群が25.9カ月(95%信頼区間:19.4-NE)、P群が14.4カ月(同:11.0−22.2)、ハザード比0.70、片側p値(log-rank)=0.002でM群で有意に優れていた。4年DFS率はM群が46.4%、P群が37.4%だった。

 グレード3/4の非血液学的毒性は、皮疹/落屑がM群で多かったが、その他のものは両群で差がなかった。グレード5もM群が5%、P群が5.3%と差がなかった。

 midostaurinはスイスNovartis社によって開発が行われている。

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