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2015/12/7

成人のCD20陽性Ph染色体陰性BCP-ALLにリツキシブ追加投与は有効【ASH2015】

横山勇生

 成人のCD20陽性Ph染色体陰性前駆B細胞急性リンパ性白血病(BCP-ALL)患者に、標準的な強い化学療法に加えてリツキシマブを投与することは、投与しない場合に比べて、無イベント生存期間(EFS)を有意に改善することが明らかとなった。また、最初の完全寛解(CR)で同種幹細胞移植を受けなかった患者では、全生存期間(OS)も延長できることが分かった。無作為化フェーズ3試験GRAALL-R 2005試験の結果、示されたもの。

 12月5日から8日までオーランドで開催されている米国血液学会(ASH2015)のプレナリーセッションで、フランスHopital Henri MondorのSebastien Maury氏によって発表された。

 成人のBCP-ALL患者の30%から40%ではCD20が陽性で、いくつかの単群臨床試験で化学療法にリツキシマブを追加することの有用性が示唆されていたが、無作為化試験で報告されたのは今回が初めてになる。

 多施設無作為化試験であるGRAALL-R 2005試験は、18歳から59歳の新規診断CD20陽性Ph染色体陰性BCP-ALL患者を対象に、標準的な強い化学療法を受ける患者(対照群)と、標準的な強い化学療法にリツキシマブを加えて投与する患者(リツキシマブ群)を比較するために行われた。

 リツキシマブ(375mg/m2)は、寛解導入療法の間(1日目と7日目)、必要な場合のサルベージ再導入療法の間(1日目と7日目)、3回の地固め療法の間(計6回)、後期強化療法の間(1日目と7日目)、維持療法の2年の間(6回)投与され、全体で16から18回投与された。56歳以下の高リスクALLでは、地固め療法2回の後、同種幹細胞移植が行われることとされた。主要評価項目はEFSだった。副次評価項目は再発と最初の寛解における死亡の蓄積発生(CIR)率、安全性、最初の寛解で移植を受けた患者を除いたEFSだった。

 2006年5月から2014年4月までに56施設から220人が登録された。非適格だった9人と同意を撤回した2人を除く209人を対象としITT解析が行われた。対照群は104人、リツキシマブ群は105人だった。年齢中央値は全体で40.2歳だった。患者背景は両群でバランスがとれていた。

 試験の結果、2年EFS率はリツキシマブ群が65%(95%信頼区間:56-75)、対照群が52%(同:42-63)で、ハザード比0.66(95%信頼区間:0.45−0.98)、p=0.038で有意にリツキシマブ群の方が良かった。年齢などによるサブグループ解析もすべてリツキシマブ群で良好な結果となった。

 早期の抗腫瘍効果は両群で有意な差はなかった。1回の寛解導入療法でCRとなった率はリツキシマブ群90.5%、対照群87.5%、CR率はリツキシマブ群が92%、対照群が90%。導入療法で微小残存病変(MRD)が10-4未満となった患者の割合はリツキシマブ群が65%、対照群が61%、地固め療法後でMRDが10-4未満となった患者の割合は、リツキシマブ群が91%、対照群が82%だった。

 CIR率はリツキシマブ群で低く、2年CIR率はリツキシマブ群で18%(95%信頼区間:11-27)、対照群で32%(同:22-42)で、原因特異的ハザード比は0.52(95%信頼区間:0.31-0.89)、p=0.017でリツキシマブ群が少なかった。1回目のCRで移植を受けた患者を除くとハザード比は0.49(95%信頼区間:0.27-0.89)、p=0.018となった。

 OSについては、有意ではないがリツキシマブで良好な結果となった。2年OS率はリツキシマブ群が71%(95%信頼区間:62-80)、対照群が64%(同:55-74)で、ハザード比0.70(95%信頼区間:0.46-1.07)、p=0.095だった。1回目のCRで移植を受けた患者を除くと、ハザード比0.55(95%信頼区間:0.34-0.91)、p=0.018とリツキシマブで有意に長い結果が得られた。

 Maury氏は、「Ph染色体陰性BCP-ALLの約3分の1を占めるCD20陽性患者の、新たな標準療法になる」と結論づけた。

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