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2015/11/25

欧州でblinatsumomabがALL対象に条件付きで承認獲得

大西淳子=医学ジャーナリスト

 米Amgen社は、2015年11月23日、欧州委員会がblinatsumomabの市販を条件付きで承認したと発表した。適応疾患は、成人の、フィラデルフィア染色体陰性の再発性/難治性のB前駆細胞型急性リンパ芽球性白血病(ALL)となっている。

 この疾患の患者は少なく、欧州における罹患者は年間900人程度と推定されている。治療は困難で、選択肢は限られており、生存期間の中央値は3-5カ月だった。

 今回の承認は211試験と206試験という2件のフェーズ2のデータに基づく。18歳以上の、フィラデルフィア染色体陰性の再発/難治性B細胞前駆型ALLの患者を対象に行われたオープンラベルの211試験では、blinatumomabの単剤投与により、評価可能だった189人中81人(42.9%、95%信頼区間:35.7-50.2)が、完全奏効(CR)、または造血系の回復(骨髄の芽球は5%以下、血中や髄外に芽球なし)を伴う完全奏効(CRh)を達成した。試験期間中に報告された重篤な有害事象は、感染、神経系イベント、好中球減少症、発熱性好中球減少症、サイトカイン放出症候群、腫瘍溶解症候群だった。

 blinatumomabは、独Micromet社専有のBiTE(Bi-Specific T Cell Engagers)抗体で、細胞障害性T細胞に、CD19を発現している悪性B細胞への攻撃を指示するよう設計されている。通常、抗体に対する受容体を持たないT細胞に、抗体は作用できない。BiTEは、一方でT細胞表面の受容体であるCD3を認識し、もう一方で特定の癌抗原(blinatumomabの場合にはCD19)を認識する組み換え抗体で、これを用いて細胞障害性T細胞と癌細胞を結合させれば、T細胞からパーフォリンやグランザイムが放出されて、癌細胞はアポトーシスに至る。 

 条件付きの承認とは、申請データの種類や量は十分ではないが、リスクと利益のバランスが良好で、現時点では治療の選択肢が無い疾患を適応としており、市販されれば公衆衛生上有意な利益がもたらされると見なされた製品に対して与えられるもので、期限は1年となっている。1年毎の更新は可能だが、申請者はできるだけ早く十分なデータを提出する必要があり、データが全て揃った段階で条件付き承認は通常の承認に切り替えられる。

 欧州では、blinatumomabは、今回承認された適応症を対象として2009年にオーファンドラッグ指定を得ている。

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