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2015/11/17

EGFR T790M変異陽性の転移性非小細胞肺癌対象に米国でosimertinibが承認獲得

大西淳子=医学ジャーナリスト

 英AstraZeneca社は、2015年11月13日、米食品医薬品局(FDA)が、osimertinib(開発名AZD9291)を、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を用いた治療後に進行を見た、EGFR遺伝子にT790M変異を有する転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療に用いることを許可したと発表した。

 T790M変異の有無は、FDAの承認を受けたスイスRoche社のコンパニオン診断薬「cobas EGFR Mutation Test v2」を用いて判断する。

 EGFR-TKI治療後に進行を経験したNSCLC患者の約3分の2に、この種の薬剤に対する耐性を付与するT790M変異が認められる。そうなると治療の選択肢が限られてしまう。osimertinib は、EGFR T790M陽性の転移性NSCLC患者への適用が認められた初めての薬剤になった。

 新規経口分子標的薬osimertinibは、EGFRに活性化変異を有する腫瘍と、EGFR-TKI感受性の変異をEGFRに有する腫瘍、EGFR-TKIに対する耐性を付与するT790M変異を有する腫瘍において、EGFRの機能を阻害するよう設計されている。

 FDAの承認は、2件のフェーズII試験、AURA extensionとAURA2で得られたデータに基づく。それらは、EGFR-TKI治療中または治療後に進行したT790M変異陽性NSCLC患者411人に対するosimertinibの有効性を示した。2件の結果を合わせた全奏効率は59%(95%信頼区間:54-64)になった。忍容性も高く、患者の3.5%以上に認められたグレード3以上の有害事象はなかった。報告が多かった有害事象のほとんどが軽症から中等症だった。多くの患者が経験した有害事象は、下痢(あらゆる下痢は42%に発生、グレード3/4は1.0%に発生)、発疹(それぞれ41%と0.5%)、皮膚の乾燥(31%と0%)などだった。

 この製品は米国ではファストトラック指定、画期的治療薬指定を得ており、承認申請に対して優先審査と迅速承認制度が適用された。日本でも、2015年8月に同様の承認申請が提出され、厚生労働省は先頃、この製品を優先審査品目に指定した。欧州でも承認申請を提出済みで、やはり迅速審査の適用が決まっている。

 現在この製品については、オープンラベルの無作為化フェーズ3 AURA3試験などが進行中だ。AURA3は、局所進行性または転移性のNSCLCで、EGFR-TKI治療後に進行を見た、EGFR T790M変異陽性の患者を登録し、osimertinib、またはプラチナ製剤とペメトレキセドの併用に割り付けて、有効性と安全性を比較する設計になっている。

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