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2015/9/28

中腸の神経内分泌腫瘍に177 Lu-Dotatateを用いた放射性核種標識ペプチド治療でPFSを有意に延長【ECC2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 中腸の神経内分泌腫瘍(NET)に対し、177 Lu-Dotatateを用いた放射性核種標識ペプチド治療(PRRT)とオクトレオチドLARの併用は、オクトレオチドLAR単独よりも、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、フェーズ3試験NETTER-1で明らかになった。9月25日から29日までオーストリア・ウイーンで開催されているEuropean Cancer Congress(ECC2015)で、フランスHospital BeaujonのPhilippe Ruszniewski氏らが発表した。

 中腸のNETはNET全体の20-45%を占める。NETのおよそ8割にソマトスタチン受容体が過剰発現しており、治療にはソマトスタチンアナログのオクトレオチドLARが使われている。

 177 Lu -DOTATATEを用いたPRRTは、ソマトスタチン受容体に結合するペプチドを放射性核種ルテシウム177(177 Lu)で標識して投与し、腫瘍内部からの放射線照射により腫瘍細胞DNAを破壊し、細胞死をもたらす。

 試験には欧州および米国から転移性もしくは局所進行の中腸NET患者229人が登録された。患者は無作為に2群に分けられ、1つの群はオクトレオチドLARのみを投与し、もう1つの群にはオクトレオチドLARに加え、177 Lu-Dotatateを投与した。主要評価項目はPFSで、副次評価項目には全生存期間(OS)、安全性、QOLが含まれた。

 177 Lu-Dotatate群では、177 Lu-Dotatateは7.4GBqを8週おきに4回投与し、さらにオクトレオチドLAR 30mgを4週おきに投与した。オクトレオチドLAR単独群では、オクトレオチドLARは60mgを4週おきに投与した。

 2群間で患者背景に違いはなかった。

 この結果、PFS中央値は177 Lu-Dotatate群では到達しておらず、オクトレオチドLAR単独群では8.4カ月だった。ハザード比は0.209(95%信頼区間:0.129-0.338)、p<0.0001だった。

 奏効率は177 Lu-Dotatate群では19%、オクトレオチドLAR単独群では3%だった(p<0.0004)。

 中間解析として、全死亡は35人、177 Lu-Dotatate群では13人、オクトレオチドLAR単独群では22人であった(p<0.0186)。

 177 Lu-Dotatateのフェーズ1/2試験で良好な安全性プロファイルが示されており、今回の試験はその結果と一致していた。治療関連の有害事象が177 Lu-Dotatate群86%、オクトレオチドLAR単独群31%、治療関連の重篤な有害事象がそれぞれ9%、1%、治療関連の有害事象による治療中止は5%、0%であった。

 177 Lu-Dotatate群の重篤な有害事象として、リンパ球減少症が3人、血小板減少症が1人、好中球減少症が1人、汎血球減少症が1人、二血球減少症が1人で、急性腎障害が2人、腎不全が1人、門脈高血庄症が1人であった。

 これらの結果から転移のある中腸NET患者において、177 Lu-DotatateはオクトレオチドLAR60mg投与よりもPFSおよび奏効率に関して優れており、OSも延長する傾向が示されたとした。

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