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2015/9/28

PD-L1陽性の局所進行・転移性非小細胞肺癌に抗PD-L1抗体atezolizumabは治療ラインに関わらず有効【ECC2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 PD-L1発現が認められた局所進行もしくは転移を有する非小細胞肺癌において、抗PD-L1抗体atezolizumabは治療ラインに関わらず有効であり、PD-L1の発現が高いほど効果も高いことが、単群の国際共同フェーズ2試験BIRCHの中間結果で明らかになった。この試験には日本人も含まれている。9月25日から29日までオーストリア・ウイーンで開催されているEuropean Cancer Congress(ECC2015)で、フランスGustave Roussy / Paris Sud UniversityのBenjamin Besse氏らが発表した。

 BIRCH試験は、多施設共同オープンラベル単群フェーズ2試験。PD-L1陽性の局所進行または転移を有する非小細胞肺癌患者667人を対象に、atezolizumabの有効性および安全性を検証した。

 試験では治療ラインにより、1次治療としてatezolizumab が投与された患者、2次治療としてatezolizumab が投与された患者、3次以降の治療としてatezolizumab が投与された患者の3つのコホートに分けられた。

 PD-L1の発現は、SP142抗体を用いた免疫組織化学染色法(IHC)により、腫瘍細胞(TC)および腫瘍浸潤免疫細胞(IC)での発現を評価し、IHCスコアがTC2/3もしくはIC2/3の患者をPD-L1陽性とした。

 試験において、atezolizumabは1200mgを3週間毎に静脈内投与した。主要評価項目は独立審査機関による奏効率(ORR)、副次的評価項目には奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、安全性が含まれた。

 この結果、奏効率は、1次治療コホートでは、TC3もしくはIC3の患者(65人)では26%、TC2/3もしくはIC2/3の患者(139人)では19%だった。2次治療コホートでは、TC3もしくはIC3患者(122人)では24%、TC2/3もしくはIC2/3患者(267人)では17%だった。3次以降の治療コホートでは、TC3もしくはIC3患者(115人)では27%、TC2/3もしくはIC2/3患者(253人)では17%だった。

 これら独立審査機関により評価された奏効率は治験担当医師による評価の奏効率と類似していた。

 OS中央値は、TC2/3もしくはIC2/3患者で、1次治療コホートでは14カ月、2次治療コホートでは到達しておらず、3次以降の治療コホートでも到達していない。6カ月生存率はそれぞれ82%、76%、71%だった。各コホートのフォローアップ期間中央値は8.8カ月、7.9カ月、8.6カ月であった。またTC3もしくはIC3患者でのOS中央値は、いずれのコホートでも到達していない。6カ月生存率はそれぞれ79%、80%、75%だった。

 また、この6カ月生存率の結果は、2次治療もしくは3次治療としてatezolizumabとドセタキセルを比較したPOPLAR試験の結果と一致していたという。

 PFS中央値は、TC2/3もしくはIC2/3患者で、1次治療コホートでは5.5カ月、2次治療コホートでは2.8カ月、3次以降の治療コホートでは2.8カ月だった。6カ月PFS率はそれぞれ46%、29%、31%だった。またTC3もしくはIC3患者では、それぞれ5.5カ月、4.1カ月、4.2カ月だった。6カ月PFS率は48%、34%、39%だった。

 安全性についてはatezolizumabの先行研究で報告された結果と一致しており、コホートによる毒性の大きな違いも見られなかった。治療関連のグレード3/4の有害事象は11%の患者で認められた。有害事象による治療中止は5%であった。治療関連のグレード5の有害事象は0.2%だった。治療期間の中央値は4.2カ月であった。

 5%以上に見られた治療関連有害事象は、倦怠感、下痢、悪心、そう痒、発熱、食欲不振、無力症、発疹、関節痛であった。

 また注目すべき有害事象(AESI)は26%の患者で認められ、その8割はグレード1/2であった。主なグレード3/4のAESIは肺炎(1.5%)、AST上昇(0.8%)、大腸炎(0.5%)、甲状腺機能低下(0.3%)、発疹(0.3%)だった。

 これらの結果から、PD-L1陽性の進行非小細胞肺癌患者において、atezolizumabの臨床的有効性が示されたとした。またPD-L1発現が高いほど抗腫瘍効果は高く、atezolizumab治療により有用性が得られる非小細胞肺癌患者を同定できる可能性があるとした。

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