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2015/9/27

HER2陽性乳癌の術前補助療法として化学療法+ラパチニブは化学療法+トラスツズマブと有意差なし、GeparQuinto試験の生存解析結果【ECC2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 HER2陽性乳癌に対する術前補助療法として、化学療法へのラパチニブ追加は化学療法へのトラスツズマブ追加に比べて有意な生存改善は認められないことが、GeparQuinto試験(GBG 44)の生存解析結果で明らかになった。ただしホルモン受容体陽性患者に限ってはラパチニブの有用性が期待された。9月25日から29日までオーストリア・ウイーンで開催されているEuropean Cancer Congress(ECC2015)で、ドイツHelios Klinikum Berlin-BuchのMichael Untch氏らが発表した。

 GeparQuinto試験はGerman Breast Group(GBG)が行ったHER2陰性およびHER2陽性の乳癌患者を対象とするフェーズ3試験。HER2陽性コホート(615人)では、エピルビシンとシクロホスファミド併用投与を4回行った後、ドセタキセルとトラスツズマブまたはラパチニブを併用投与した。ラパチニブは1000-1250mg/日を経口で連日投与し、24週間続けた。トラスツズマブは初回は8mg/kg、その後6mg/kgを静注で21日おきに第1日目に投与し、8サイクル行った。

 手術後、両群ともトラスツズマブ投与が合計で1年間になるまで、トラスツズマブを投与した。そのためラパチニブ群では抗HER2治療は合計で1.5年間、トラスツズマブ群では1年間となった。内分泌療法や放射線療法はガイドラインに従って行われた。

 試験の結果、主要評価項目であるpCR率はトラスツズマブ群では31.3%だったが、ラパチニブ群では21.7%だった(p<0.05)(Untch et al. Lancet Oncol 2012)。pCRは乳房および腋窩リンパ節において浸潤性もしくは非浸潤性腫瘍の遺残がない状態と定義された。

 今回の発表では、副次評価項目である無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)の結果が報告された。

 この試験において2つの治療群のハザード比0.6(α=0.05、β=0.8)が得られるにはイベント数は120人が必要とされた。結果、フォローアップ期間中央値54.9カ月で、予定されたイベント数に達し、このうち死亡は58人だった。

 全体として、pCRが得られた患者群のDFSは非pCR群に比べて有意に良好で(p=0.0437)、OSも有意に良好だった(p=0.0090)。

 治療群の比較では、ラパチニブ群(308人)とトラスツズマブ群(307人)のDFSに有意な違いはなく(p=0.8079)、OSにも違いがなかった(p=0.2969)。

 しかしホルモン受容体陽性患者のOSは、ラパチニブ群(171人)のほうがトラスツズマブ群(170人)に比べて有意に良好だった(p=0.0191)。

 またpCRの有無で分けると、トラスツズマブ群のOSはpCR群と非pCR群で有意に異なることが示された(ハザード比0.15、p=0.010)。ラパチニブ群ではpCR群と非pCR群で有意な違いはなかった。

 これらの結果から、トラスツズマブ群に比べてラパチニブ群のほうがpCR率は低いものの、トラスツズマブによる1年間の術後投与を行った場合は生存に影響しないとした。

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