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2015/9/27

ニボルマブはエベロリムスよりも既治療進行腎細胞癌の全生存期間を有意に延長、新たな選択肢に【ECC2015】

横山勇生

 既治療の進行または転移を有する腎細胞癌に対し、抗PD-1抗体ニボルマブは、mTOR阻害薬エベロリムスよりも全生存期間(OS)を有意に延長することが明らかとなった。ニボルマブとエベロリムスを比較するオープンラベル無作為化フェーズ3試験CheckMate-025で示されたもの。試験は有効性が示されたため早期中止となっている。9月25日から29日までオーストリアのウィーンで開催されているEuropean Cancer Congress 2015(ECC2015)で、米MD Anderson Cancer CenterのPadmanee Sharma氏によって発表された。CheckMate-025試験には日本人の患者も含まれている。

 CheckMate-025試験は、2012年10月から2014年3月までに、既治療の淡明腎細胞癌患者821人をニボルマブ群(2週おきに3mg/kgのニボルマブを投与、410人)とエベロリムス群(毎日エベロリムス10mgを投与、411人)に無作為に割りつけた。投与は増悪か不耐容の毒性が発現するまで行われ、薬剤に忍容性があり、臨床的利益が示唆される場合には増悪後の継続投与も認められていた。適格基準として抗血管新生療法歴が1か2の測定病変を有する淡明腎細胞癌とされた。主要評価項目はOS。副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)、副作用、QOL(FKSI-DRS質問票に基づく)、PD-L1発現(腫瘍細胞での発現が1%以上と未満で分けた)によるOSだった。

 試験の結果、最短観察期間が14カ月で、OS中央値はニボルマブ群が25.0カ月(95%信頼区間:21.8-NE)、エベロリムス群が19.6カ月(95%信頼区間:17.6-23.1)だった。ハザード比は0.73(98.5%信頼区間:0.57-0.93)、p=0.0018で有意にニボルマブ群で長かった。サブグループ解析の結果、MSKCCリスク分類のPoorリスク患者でも効果が認められた。また抗血管新生療法治療歴が1の患者の方が2の患者よりもニボルマブの効果が高かった。

 PD-L1の発現が1%以上の患者(全体の24%)において、OS中央値はニボルマブ群が21.8カ月(95%信頼区間:16.5-28.1)、エベロリムス群が18.8カ月(95%信頼区間:11.9-19.9)で、ハザード比は0.79(95%信頼区間:0.53-1.17)となった。PD-L1の発現が1%未満の患者(全体の76%)において、OS中央値はニボルマブ群が27.4カ月(95%信頼区間:21.4-NE)、エベロリムス群が21.2カ月(95%信頼区間:17.7-26.2)、ハザード比は0.77(95%信頼区間:0.60-0.97)で、PD-L1の発現に関わらずニボルマブ群で良好な結果となった。

 ニボルマブ群は完全奏効(CR)が1%、部分奏効(PR)が24%で、奏効率は25%、エベロリムス群はCRが1%、PRが5%で奏効率は5%だった。病勢安定となったのはニボルマブ群が34%、エベロリムス群が55%だった。奏効期間中央値はニボルマブ群が12.0カ月(0-27.6)、エベロリムス群が12.0カ月(0-22.2)だった。

 PFS中央値はニボルマブ群が4.6カ月(95%信頼区間:3.7-5.4)、エベロリムス群が4.4カ月(95%信頼区間:3.7-5.5)で、ハザード比は0.88(95%信頼区間:0.75-1.03)、p=0.1135で差はなかった。しかし、6カ月時点で増悪していないまたは死亡していない患者に限定すると、PFS中央値はニボルマブ群が15.6カ月、エベロリムス群が11.7カ月で、ハザード比は0.64(95%信頼区間:0.47-0.88)となった。

 グレード3/4の副作用はニボルマブ群で19%、エベロリムス群で37%に起こり、ニボルマブ群の方が少なかった。ニボルマブ群で多く見られた副作用は倦怠感(34%)、吐き気(14%)、重度のかゆみ(14%)、エベロリムス群で多く見られた副作用は口粘膜の炎症(30%)、貧血(24%)だった。投薬中止に結びついた副作用はニボルマブ群が8%(全グレード)、エベロリムス群が13%だった。ニボルマブ群に治療関連死はなく、エベロリムス群は2件発生した。

 QOLについても、ニボルマブ群の方が改善効果が高いことが認められた。

 Sharma氏は、「今回のフェーズ3の結果からニボルマブは既治療の進行腎細胞癌の新たな治療選択肢になる」と結論付けた。

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