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2015/8/18

抗PD-L1抗体atezolizumabが進行NSCLC対象のフェーズ2試験で主要評価項目を達成

森下紀代美=医学ライター

 スイスRoche社は8月17日、抗PD-L1モノクローナル抗体atezolizumab(MPDL3280A)が、局所進行または転移を有する非小細胞肺癌(NSCLC)でPD-L1の発現を認める患者を対象とした大規模なフェーズ2試験(BIRCH)において、主要評価項目である奏効率を達成したと発表した。

 atezolizumabは、腫瘍細胞と腫瘍浸潤性の免疫細胞に発現しているPD-L1を標的として、T細胞表面のPD-1およびB7.1との結合を阻害するようデザインされている。PD-L1を阻害することにより、T細胞の活性化を誘導すると考えられている。

 BIRCH試験は、非盲検、多施設共同の単群試験で、局所進行または転移を有するNSCLCでPD-L1の発現を認める患者667人を対象として、atezolizumabの安全性と有効性を評価した。PD-L1の発現は、腫瘍細胞と腫瘍浸潤性の免疫細胞の両方において、Roche Diagnostics社が開発中の免疫組織化学染色(IHC)法で評価した。同試験の適格基準には、このIHC法によるPD-L1の発現が腫瘍細胞で2/3、または腫瘍浸潤性の免疫細胞で2/3であることが含まれた。患者はatezolizumab 1200mgの静脈内投与を3週毎に受けた。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は奏効期間、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、安全性だった。

 同試験では、PD-L1の発現量が薬剤に対する奏効と相関することが示された。有害事象はatezolizumabの過去の報告と一致していた。同試験の結果は今後の学会で発表される予定である。

 米食品医薬品局(FDA)は今年すでに、PD-L1を発現しているNSCLCで、標準治療(プラチナ製剤を含む化学療法、EGFR遺伝子変異陽性またはALK遺伝子転座陽性の場合は適切な分子標的治療)の施行中または施行後に進行した患者の治療として、atezolizumabをBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定している。Breakthrough Therapyの指定は、重篤な疾患を治療する薬剤の開発と再検討を促進するために設けられている。

 Roche社は、早期および進行期の肺癌患者に対する新たな治療選択肢として、atezolizumabの単剤療法または他の薬剤との併用療法を評価するため、7件のフェーズ3試験を有している。

 atezolizumabを評価するすべての試験において、SP142抗体を用いて腫瘍細胞と腫瘍浸潤性の免疫細胞におけるPD-L1の発現を測定する、IHC法の評価が行われている。バイオマーカーとしてのPD-L1で目標とするのは、atezolizumabの単剤療法、ならびに他の薬剤との併用療法により、最も有用性が得られる可能性がある患者を同定することだ。atezolizumabについては、肺癌、腎癌、乳癌、膀胱癌を対象として、現在11件のフェーズ3試験が進行中または計画中である。

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