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2015/7/21

TAS-102の副作用は臨床試験の結果と類似、ILDの既往がある患者では注意深いモニタリングが必要、市販後直後調査の結果【臨床腫瘍学会2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 転移を有する大腸癌に対するTAS-102の市販後直後調査(EPPV)の結果、日常診療における副作用は、これまでの臨床試験の結果と類似していた。ただし間質性肺疾患(ILD)が報告されたことから、ILDの既往がある患者では注意深いモニタリングを要することが明らかになった。7月16日から18日まで札幌市で開催された第13回日本臨床腫瘍学会学術集会で、東京医科歯科大学大学院総合外科学分野の植竹宏之氏らが発表した。

 TAS-102 は標準的な化学療法が不応の転移を有する大腸癌に対し、プラセボに比べて全生存期間および無増悪生存期間を有意に改善することが示されている。日本では他国に先駆けて、フェーズ2試験の結果をもとに、2014年3月に承認された。TAS-102は70mg/m2/日(BID)を、1サイクル4週として、5日間投与2日間休薬のスケジュールで2週行い、その後、14日間の休薬期間をもうける。

 市販後直後調査は、製造販売開始から6カ月間に発生した副作用を把握するため、TAS-102を投与する転移を有する大腸癌患者が登録された。調査期間は2014年5月26日から11月25日だった。

 重篤な副作用(ADR)は、死亡に至った副作用、生命を脅かす副作用、入院を要するもしくは入院期間を延長させる副作用など、日米EU医薬品規制調和国際会議のICH-E2D、ICH-E2Aガイドラインに従って定義された。

 この6カ月間で、1209医療機関のおよそ3373人において、ADRは219人で計370件が報告され、うち重篤な副作用は51人、89件であった。

 最も多く見られた副作用は骨髄抑制だった。好中球減少症が77人(うち重篤な副作用は7人)、白血球減少症が28人(同3人)、血小板減少症が23人(同9人)、貧血が20人(同8人)、発熱性好中球減少症が19人(同18人)であった。

 非血液毒性では、悪心は33人(同2人)、食欲不振は31人(同4人)、下痢は25人(同5人)、倦怠感は17人(同0人)、嘔吐は13人(同2人)であった。

 また間質性肺疾患(ILD)は7人で報告された。発生時期の中央値は51日(22-91日)。うち3人は前治療によるILDの既往があった。転帰は7人すべてが回復もしくは回復中である。なおTAS-102のフェーズ3試験ではILDは報告されておらず、フェーズ2試験ではILDが1人に認められたが、TAS-102に関連したILDではなかった。

 好中球減少症は22日前後に多く発生し、重篤な好中球減少症および発熱性好中球減少症は15日あたりに発生する傾向があった。また好中球減少症による感染症で死亡した患者が2人報告された。1人は15日目に発熱性好中球減少症が発生し、もう1人は14日目に好中球減少症、18日目に発熱性好中球減少症を発生していた。このため、TAS-102の1サイクル目には週1回(8日、15日、22日)の検査が推奨されるべきであるとした。

 以上のことから、市販直後調査で、日常診療におけるTAS-102の副作用は、ILDを除き、これまでの臨床試験の結果と類似していたとした。またILDの既往がある患者では注意深いモニタリングが必要であるとした。

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