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2015/7/5

RAS/BRAF/PIK3CA野生型進行大腸癌であればセツキシマブのbeyond PDが有効な可能性【WCGC2015】

横山勇生

 RAS遺伝子野生型進行大腸癌に対して、FOLFIRI+セツキシマブを行って病勢安定(SD)以上の効果が認められた患者に、増悪後セツキシマブ+FOLFOXを投与することが、一部の患者では有効である可能性が明らかとなった。無作為化フェーズ2試験CAPRI-GOIMの結果、示されたもの。7月1日から4日までスペイン・バルセロナで開催されたESMO 17th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2015)で、イタリアSeconda Universita degli Studi di NapoliのF. Ciardiello氏によって発表された。

 ベバシズマブに関しては、進行大腸癌に対して化学療法剤とベバシズマブを併用し、増悪後に別の化学療法剤を併用してベバシズマブの投与を続けること、いわゆる「beyond PD」が有効であることが証明されている。しかし、抗EGFR抗体に関する「beyond PD」効果は不明である。

 CAPRI-GOIM試験では、KRASエクソン2野生型(地域の検査室判定)の進行大腸癌患者340人を対象に、まず1次治療としてFOLFIRI+セツキシマブを病勢進行か忍容不能な副作用が発現するまで投与された。次に、1次治療で病勢安定(SD)以上の効果が得られたあと増悪した患者を、FOLFOX+セツキシマブを投与する群(A群)とFOLFOXのみを投与するB群に1:1に無作為に割り付けたフェーズ2試験が実施された。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、安全性だった。

 原発巣から得られた保存検体は、次世代遺伝子配列決定技術を用いて、中央解析された。

 2010年2月から2014年9月までに2次治療としてのフェーズ2に153人が無作為割付された(ITT、A群74人、B群79人)。A群とB群の患者背景に差はなかった。ITTにおけるPFS中央値は、A群が6.4カ月、B群が4.5カ月で、ハザード比0.81(95%信頼区間:0.58−1.12)、p=0.19でA群に良好な傾向はあったが有意差ではなかった。A群で完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が14人に認められ、奏効率は21.6%、B群でCRが1人、PRが9人に認められ奏効率は12.7%だった。OS中央値はA群が17.6カ月、B群が14.0カ月で、ハザード比0.86(95%信頼区間:0.61-1.2)、p=0.41だった。

 次世代シーケンサーによる解析が153人中117人(76.5%)で行われ、75人がKRAS/NRAS野生型患者で、42人はKRASエクソン2、3、4、NRASエクソン2、3、4のいずれかに変異を有していた。KRASエクソン2の変異が当初野生型とされていた患者の16.2%で認められた。

 KRAS/NRAS野生型患者のデータだけを取り出すと、A群のPFS中央値は6.8カ月、B群は5.5カ月で、ハザード比0.80(95%信頼区間:0.50-1.29)、p=0.4だった。KRAS/NRAS変異型患者のPFS中央値は、A群が2.7カ月、B群が4.1カ月で、ハザード比1.53(95%信頼区間:0.79-2.96)、p=0.2だった。奏効率はKRAS/NRAS野生型ではA群が25.6%(CR 1人)、B群が16.7%(CR 1人)、変異型ではA群が7.4%(全員PR)、B群が14.3%(全員PR)だった。野生型のOS中央値はA群が21.4カ月、B群が19.8カ月で、ハザード比0.78(95%信頼区間:0.46-1.32)、p=0.35、変異型のOS中央値はA群が11.6カ月、B群が12.7カ月で、ハザード比1.45(95%信頼区間:0.74-2.83)、p=0.41だった。

 さらに117人中66人がKRAS、NRAS、BRAF、PIK3CA遺伝子が野生型で、51人はいずれかの遺伝子に少なくとも1つの変異があった。

 KRAS、NRAS、BRAF、PIK3CA遺伝子が野生型の患者でのPFS中央値は、A群が6.9カ月、B群が5.3カ月、ハザード比0.56(95%信頼区間:0.33-0.94)、p=0.025で有意にA群が長かった。1つでも変異を有する患者ではPFS中央値は、A群が2.7カ月、B群が4.4カ月で、ハザード比1.70(95%信頼区間:0.94-3.05)、p=0.07だった。奏効率は、全部野生型患者ではA群が29.4%(CR 1人)、B群が9.4%(全員PR)、1つでも変異を有する患者ではA群が0%、B群が21.9%(CR 1人)だった。全部野生型患者のOS中央値は、A群が23.7カ月、B群が19.8カ月で、ハザード比0.57(95%信頼区間:0.32-1.02)、p=0.056、1つでも変異を有する患者はA群が11.6カ月、B群が14.0カ月で、ハザード比1.60(95%信頼区間:0.89-2.96)、p=0.10だった。

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