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2015/6/29

欧州CHMPが多発性骨髄腫の治療薬としてpanobinostatに肯定的意見

八倉巻尚子=医学ライター

 スイスNovartis社は6月26日、多発性骨髄腫の治療薬として、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬panobinostat(LBH589)の承認に関し、欧州医薬品庁(EMA)の諮問委員会(CHMP)が肯定的意見を示したと発表した。panobinostatは、ボルテゾミブと免疫調整剤(IMiD)を含む2レジメン以上の治療を受けた再発・難治性の多発性骨髄腫患者に対し、ボルテゾミブとデキサメタゾンとの併用で投与される。承認された場合、欧州においてpanobinostatは多発性骨髄腫に対する初めてのHDAC阻害薬となる。

 今回のCHMPの勧告は、PANORAMA-1(PANobinostat ORAl in Multiple MyelomA)試験のサブグループ解析結果に基づく。PANORAMA-1試験は、再発および/もしくは難治性の多発性骨髄腫の患者を対象に、panobinostatをボルテゾミブ+デキサメタゾンと併用した群とボルテゾミブ+デキサメタゾンのみの群を比較した国際的な多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験。

 世界215施設の768人を対象に実施され、現在のところ多発性骨髄腫では最大の国際的試験である。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)だった。主な副次評価項目である全生存期間の最終データは得られていない。その他の副次評価項目には、全奏効率、奏効期間、安全性が含まれる。

 サブグループ解析は、同試験の対象患者のうち、ボルテゾミブと免疫調整剤(IMiD)を含む2レジメン以上の治療を受けた患者147人について行われた。

 サブグループ解析の結果、panobinostat群(73人)のPFS中央値は12.5カ月で、プラセボ群(74人)の4.7カ月に対し、PFSを7.8カ月延長させ、ハザード比は0.47(95%信頼区間:0.31-0.72)だった。

 主な非血液毒性は、下痢、倦怠感、吐き気、嘔吐だった。治療関連の血液毒性は、血小板減少症、貧血、好中球減少症、リンパ球減少症であった。

 QTc延長(480msec<QTc<500 msec)は1.3%、ベースラインからの変化(>60 msec)が 0.8%の患者で認められた。500 msecを超えるQTcの延長を示す患者はいなかった。

 心イベント(頻繁な心房細動、頻脈、動悸、洞頻脈)がpanobinostat群17.6%、プラセボ群9.8%に認められ、失神がそれぞれ6.0%、2.4%であった。有害事象による投与中止は36.2%だった。投与中止に至った主な有害事象は、下痢(4.5%)、無力症・倦怠感(それぞれ2.9%)、肺炎(1.3%)だった。

 Panobinostatは多発性骨髄腫に対して効果を示した最初のHDAC阻害薬。HDAC阻害薬によるエピジェネティックな効果は多発性骨髄腫患者において、細胞機能の修復に作用すると見られている。

 Panobinostatは、ボルテゾミブとIMiDを含む少なくとも2レジメンによる治療を受けた多発性骨髄腫患者に対し、ボルテゾミブとデキサメタゾンとの併用で、米国では2015年2月に、チリでは2015年5月に承認されている。この適応症に対する承認の継続は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することが条件となっている。

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