米Eli Lilly社は、ベースラインのαフェトプロテイン(AFP)値が上昇している進行肝細胞癌を対象に、抗VEGFR2抗体製剤であるラムシルマブを投与する新たなフェーズ3試験REACH-2を近く開始する。
Lilly社は肝細胞癌患者を対象に、セカンドラインとしてラムシルマブを投与したフェーズ3試験REACHを既に実施、この試験の結果がThe Lancet Oncology誌に掲載されたと6月19日に発表した。
REACH試験は、ソラフェニブ投与後の肝細胞癌患者にラムシルマブ投与と支持療法を行う群(ラムシルマブ群)と、プラセボ投与と支持療法を行う群(プラセボ群)を比較した、世界規模で実施された無作為化二重盲検試験。主要評価項目の全生存期間(OS)中央値が、ラムシルマブ群9.2カ月、プラセボ群7.6カ月だったが、ハザード比0.866(95%信頼区間:0.717-1.046)、p=0.1391で統計学的に有意な延長は認められなかった。しかし、事前に規定されたサブグループ解析の結果、ベースラインのAFP値が400ng/mL以上の患者では有意なOSの延長が確認された。AFP値が400ng/mL以上の患者のOS中央値は、ラムシルマブ群が7.8カ月、プラセボ群が4.2カ月。ハザード比0.674(95%信頼区間:0.508-0.895)、p=0.0059だった。
このサブグループ解析の結果を受けて、REACH-2試験が実施される。REACH試験と同様に、ラムシルマブ投与と支持療法を行う群とプラセボ投与と支持療法を行う群を比較する、無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験となり、主要評価項目もOSだ。ClinicalTrials.govによると試験実施国には日本も含まれている。