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2015/6/3

転移性腎細胞癌対象フェーズ2でレンバチニブとエベロリムス併用の有効性示す【ASCO2015】

大西淳子=医学ジャーナリスト

 転移性の淡明型腎細胞癌で、VEGF阻害薬が奏効しなかった患者を登録し、レンバチニブ、エベロリムス、これらを併用の3群に割り付けたオープンラベルの無作為化フェーズ2試験の結果は、エベロリムス単剤投与に比べ2剤を併用すると、無増悪生存期間(PFS)の延長と、客観的奏効率(ORR)の上昇が見られることを示した。米Memorial Sloan Kettering癌センターのRobert Motzer氏が、ASCO2015で6月1日に報告した。

 レンバチニブは腫瘍の増殖や血管新生にかかわる、VEGFR1-3、FGFR1-4、PDGFRα、RET、KITといった複数のチロシンキナーゼを阻害する、経口のマルチキナーゼ阻害薬。一方のエベロリムスは、腫瘍細胞の分裂、血管新生および細胞代謝の調節において重要な役割を果たすmTOR蛋白質を阻害する。転移性の腎細胞癌(mRCC)患者にレンバチニブとエベロリムスを併用したフェーズ1試験では、抗腫瘍活性が示唆され、毒性は管理が可能であることが示されていた。

 オープンラベルの多施設フェーズ2試験は、mRCC患者を登録して、レンバチニブのみ、エベロリムスのみ、レンバチニブとエベロリムス併用の有効性と安全性を比較する目的で行われた。進行性/転移性の淡明型腎細胞癌で、VEGF阻害薬を用いた治療中、または治療後に進行を見た患者で、全身状態を示すECOG PSスコアが1以下の患者を登録、1対1対1でレンバチニブ(24mg/日)またはエベロリムス(10mg/日)もしくはレンバチニブ+エベロリムス(それぞれ18mg/日と5mg/日)に無作為に割り付けて、28日サイクルで投与した。治療は、進行が見られるまで、または、容認できない毒性が現れるまで継続した。

 主要評価項目は、RECISTv1.1を用いて研究者自身が評価した無増悪生存期間(PFS)とし、エベロリムスと他の2レジメンを比較した。イベント発生件数が予定数を超えた2014年6月13日をデータカットオフ日とし、それまでに得られたデータを分析した。副次的評価項目は全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、安全性と忍容性に設定した。

 153人を登録、51人(年齢の中央値は61歳、69%が男性)をレンバチニブ+エベロリムスに、52人(64歳、56%)をレンバチニブ単剤に、50人(59歳、76%)をエベロリムス単剤に割り付けた。99%の患者がVEGF阻害薬を用いる治療を1回受けており、残りの1%は2回受けていた。13%は免疫治療(チェックポイント阻害薬またはサイトカイン療法)の経験も持っていた。

 データカットオフ日の時点で治療を継続していた患者は、レンバチニブ+エベロリムス群の13人、レンバチニブ群の7人、エベロリムス群の3人で、治療期間の中央値はそれぞれ7.6カ月(レンジ0.7-22.6)、7.4カ月(0.1-23.0)、4.1カ月(0.3-20.1)だった。治療中止の理由として最も多かったのは、3群ともに進行だった。割り付け薬の減量が必要となった患者の割合は、レンバチニブ+エベロリムス群が71%、レンバチニブ群が62%、エベロリムス群は26%だった。

 PFSの中央値は、レンバチニブ+エベロリムス群が14.6カ月(95%信頼区間:5.9-20.1)、レンバチニブ群は7.4カ月(5.6-10.2)、エベロリムス群は5.5カ月(3.5-7.1)で、レンバチニブ+エベロリムス群のPFSはエベロリムス単剤群に比べ有意に長かった。ハザード比は0.40(0.24-0.68、p<0.001)になった。

 レンバチニブ単剤群もエベロリムス単剤群に比べPFSを有意に延長していた。ハザード比は0.61(0.38-0.98、p=0.048)だった。

 ORRは、レンバチニブ+エベロリムス群が43%(29-58)、レンバチニブ群は27%(16-41)、エベロリムス群は6%(1-17)で、完全奏効はレンバチニブ+エベロリムス群の2%のみ、部分奏効はそれぞれ41%、27%、6%に見られた。レンバチニブ+エベロリムス群とレンバチニブ単剤群のORRはエベロリムス単剤群に比べ有意に高かった(p<0.001とp=0.007)。

 奏効期間の中央値は、レンバチニブ+エベロリムス群が13.0カ月(3.7-NE)、レンバチニブ群は7.5カ月(3.8-NE)、エベロリムス群は8.5カ月(7.5-9.4)だった。

 OSは、レンバチニブ+エベロリムス群が25.5カ月(20.8-25.5)、レンバチニブ群は18.4カ月(13.3-NE)、エベロリムス群は17.5カ月(11.8-NE)で、レンバチニブ+エベロリムス群で良好である傾向が見られた(ハザード比は0.55、0.30-1.01、p=0.062)。エベロリムス群と比較したレンバチニブ群のハザード比は0.74(0.42-1.31、p=0.290)だった。

 2014年12月10日までのデータを用いてOSについて分析したところ、エベロリムス群と比較したレンバチニブ+エベロリムス群のハザード比は0.51(0.30-0.88、p=0.024)で差は有意になった。一方で、エベロリムス群と比較したレンバチニブ群のハザード比は0.68(0.41-1.14、P=0.118)で、引き続き有意差を示さなかった。

 なお、レンバチニブ+エベロリムス群とレンバチニブ群の比較も行ったが、PFS、奏効期間のいずれについても差は有意にならなかった。

 登録されたすべての患者が治療下で有害事象を経験した。レンバチニブ+エベロリムス群に発現したあらゆる有害事象のうち、最も多かったのは下痢(84%)で、続いて、疲労感/無力症(59%)、嘔吐(45%)、悪心(41%)、高血圧(41%)が多く報告された。治療下で発現したグレード3以上の有害事象の中で多く見られたのは、下痢(20%)、疲労感/無力症(14%)、高血圧(14%)だった。死亡はレンバチニブ+エベロリムス群の1人とレンバチニブ群の3人、エベロリムス群の1人に発生した。

 有害事象は一般に併用群に多かったが、予測は可能で、多くが用量調整によって管理できた。

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