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2015/6/1

日本人肺扁平上皮癌にネダプラチンとドセタキセル併用はシスプラチンとドセタキセル併用に比べ生存を改善、消化器毒性も軽度【ASCO2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 進行もしくは再発の肺扁平上皮癌に対し、ネダプラチンとドセタキセル併用療法はシスプラチンとドセタキセル併用療法に比べて生存を改善し、悪心や嘔吐は少ないことが、ランダム化フェーズ3試験WJOG5208Lで明らかになった。順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学の宿谷威仁氏らが、5月29日から6月2日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)で発表した。

 ネダプラチンは第2世代のプラチナ系製剤で、シスプラチンに比べて悪心・嘔吐、腎毒性が低いといわれている。ネダプラチンとドセタキセル併用療法は進行肺扁平上皮癌を対象としたフェーズ2試験で、良好な効果と忍容性が報告されている。

 フェーズ3試験の対象は、組織学的もしくは細胞学的に肺扁平上皮癌と診断された、ステージIIIB/IVもしくは術後再発の患者。また患者は化学療法による治療歴がない、もしくは術後補助化学療法の最終投与から1年以上の後に再発した患者とした。

 ネダプラチン+ドセタキセル併用群(ND群)とシスプラチン+ドセタキセル併用群(CD群)に1:1の割合でランダム化し、ステージ、性別、施設で層別化した。

 ND群では、ネダプラチン100mg/m2とドセタキセル60mg/m2が1日目に、3週おきに4-6サイクル投与された。CD群では、シスプラチン80mg/m2とドセタキセル60mg/m2が1日目に、3週おきに4-6サイクル投与された。

 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、有害事象であった。ハザード比0.714、片側検定type Iエラー0.05、検出力90%が得られるサンプルサイズは350人であった。

 355人がランダム化された。有効性の解析はND群177人、CD群172人で行われた。両群の患者背景はバランスがとれていた。

 フォローアップ期間中央値39.3カ月で、ND群のOS中央値は13.6カ月、CD群11.4カ月で、ハザード比0.81、90%信頼区間は0.67-0.98、p=0.037(片側層別ログランク検定)。

 PFS中央値は4.9カ月、4.5カ月で、ハザード比は0.83、90%信頼区間:0.69-1.00、p=0.050だった。奏効率は55.8%、53.0%(p=0.663)、病勢制御率は84.9%、81.0%(p=0.387)であった。

 治療サイクル数の中央値は両群とも4サイクルで、相対的用量強度はネダプラチンは93.3%、シスプラチンは92.3%、ドセタキセルはND群93.8%、CD群94.6%だった。また2次治療が行われた患者はND群78%、CD群76.7%、3次治療は53.7%、40.1%、4次治療は27.7%、25.0%であった。

 グレード3以上の有害事象はND群91.5%、CD群89.7%、投与中止に至った有害事象は15.3%、23.3%で、治療関連死亡はND群で4人、CD群で3人であった。

 グレード3以上の好中球減少症(82.5%、70.3%)、白血球減少症(55.4%、44%)、血小板減少症(9%、0%)はND群のほうが多かった。しかしグレード3以上の発熱性好中球減少症の発生頻度は有意な違いはなかった(13.6%、15.4%)。一方、グレード3以上の悪心(4.0%、14.3%)、食欲不振(13.0%、26.3%)、倦怠感(3.4%、11.4%)、低ナトリウム血症(13.6%、30.3%)、低カリウム血症(2.3%、8.6%)はCD群で頻度が高かった。

 このため「ND群では悪心や嘔吐、電解質異常は頻度は低く軽度だった。骨髄抑制は高頻度で重度だが、発熱性好中球減少症や出血には関連がなかった」とした。

 これらの結果から、「NDは進行もしくは再発の肺扁平上皮癌に対する新たな標準的治療と考えられる」とした。

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