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2015/6/1

進行黒色腫患者のファーストライン治療としてニボルマブとニボルマブ+イピリムマブはPFSと奏効率を改善【ASCO2015】

森下紀代美=医学ライター

 進行黒色腫患者のファーストライン治療として、抗CTLA-4抗体製剤イピリムマブの単剤療法と比べて、抗PD-1抗体製剤ニボルマブの単剤療法は無増悪生存期間(PFS)と奏効率を改善し、ニボルマブとイピリムマブの併用療法ではさらに有用性が高まることが、フェーズ3のCheckMate067試験から示された。同試験は、進行黒色腫に対し、抗CTLA-4抗体製剤と抗PD-1抗体製剤の併用療法を評価した初のフェーズ3試験である。5月29日から6月2日まで米国シカゴで開催されている第51回米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)で、米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのJedd D. Wolchok氏が発表した。

 進行黒色腫を対象として、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を検討したフェーズ1およびフェーズ2試験から、奏効率は53-59%、2年全生存率は79-88%と報告されている。

 Wolchok氏らは、CheckMate067試験において、進行黒色腫に対するニボルマブ単剤療法とイピリムマブの併用療法をイピリムマブ単剤療法と比較した。

 対象は、切除不能または転移を有する黒色腫で、全身療法の治療歴がない患者945人。BRAF V600の遺伝子変異の状態は既知であることとした。

 ニボルマブ(1mg/kgを3週毎)とイピリムマブ(3mg/kgを2週毎)を4回投与し、その後ニボルマブ3mg/kgを2週毎に投与する群(併用群)、ニボルマブ(3mg/kgを2週毎)+プラセボを投与する群(ニボルマブ群)、イピリムマブ(3mg/kgを3週毎、4回投与)+プラセボを投与する群(イピリムマブ群)のいずれかに、患者を1:1:1でランダムに割り付け、治療は増悪または受容不能な毒性の発現まで継続した。

 患者の層別化は、PD-L1の発現状態、BRAF遺伝子変異の状態、M分類(M-stage)で行った。同試験の主要評価項目はPFSと全生存期間(OS)、副次的評価項目は奏効率、PD-L1の発現レベル、安全性だった。今回は、全対象で9カ月以上の追跡を行ったPFSの解析結果が報告された。同試験は併用群とニボルマブ群の比較については検出力がない。OSについては追跡期間22カ月に達するまで盲検化を維持している。

 併用群314人、ニボルマブ群316人、イピリムマブ群315人となり、患者背景はバランスがとれていた。年齢中央値はそれぞれ61歳、60歳、62歳、3群ともに男性が約65%を占めた。M分類でM1cの患者は57.6%、58.2%、58.1%だった。

 主要評価項目であるPFS中央値は、併用群11.5カ月、ニボルマブ群6.9カ月となり、イピリムマブ群の2.9カ月と比べて有意に延長した。イピリムマブ群に対するハザード比は、併用群は0.42(95%信頼区間:0.31-0.57)、ニボルマブ群は0.57(95%信頼区間:0.43-0.76)となった(いずれもp<0.00001)。探索的な評価項目として、ニボルマブ群に対する併用群のハザード比は0.74(95%信頼区間:0.60-0.92)だった。

 奏効率は、併用群57.6%、ニボルマブ群43.7%、イピリムマブ群19.0%となり、併用群とニボルマブ群はイピリムマブ群と比べて有意に改善した(いずれもp<0.001)。完全奏効(CR)は、併用群の11.5%、ニボルマブ群の8.9%、イピリムマブ群の2.2%で得られた。奏効期間は3群ともに中央値に未到達だった。ベースラインからの腫瘍量の変化は、平均で併用群は−51.9%、ニボルマブ群は−34.5%、イピリムマブ群は+5.9%となった。

 PD-L1の発現レベルで分けた解析も行われた。PFS中央値は、PD-L1の発現レベルが5%以上の患者では併用群とニボルマブ群でともに14カ月で同じだったが、5%未満の患者では併用群11.2月、ニボルマブ群5.3月となり、併用群で延長した。PD-L1の発現レベルが1%以上と1%未満の患者でも同様の傾向がみられた。イピリムマブはそれぞれ3.9カ月と2.8カ月だった。一方、奏効率は、PD-L1の発現レベルが5%以上の患者では、併用群72.1%、ニボルマブ群57.5%、5%未満の患者ではそれぞれ54.8%と41.3%だった。

 治療に関連するグレード3または4の有害事象は、併用群55.0%、ニボルマブ群16.3%、イピリムマブ群27.3%に発現したが、治療関連死は併用群では観察されず、ニボルマブ群の1人(0.3%)が好中球減少により、イピリムマブ群の1人が心停止により死亡した。併用群で治療に関連する有害事象により治療を中止した患者の67.5%は、奏効を認めた患者だった。

 治療に関連するグレード3-4の有害事象で多かったのは、下痢が併用群9.3%、ニボルマブ群2.2%、イピリムマブ群6.1%、リパーゼ値上昇がそれぞれ8.6%、3.5%、3.9%、ALT値上昇が8.3%、1.3%、1.6%、AST値上昇が6.1%、1.0%、0.6%、大腸炎が7.7%、0.6%、8.7%などだった。これらの有害事象は確立されている治療ガイドラインに従って管理され、ほとんどの事象は免疫調節薬で改善した。ただし、過去の報告にあるように、多くの内分泌に関する有害事象は改善しなかった。

 Wolchok氏は「これまでに得られたエビデンスから、特にPD-L1の発現レベルが5%未満の患者は、ニボルマブ単剤と比べて併用療法で転帰が改善することが示される」とした。

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