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2015/6/1

治療歴のあるCLL/SLLにBTK阻害薬ibrutinibとベンダムスチン、リツキシマブ併用で増悪リスク80%低下【ASCO2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 治療歴のある慢性リンパ球性白血病(CLL)・小リンパ球性リンパ腫(SLL)に対し、ベンダムスチンとリツキシマブ併用療法(BR療法)に、経口投与可能な共有結合型のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ibrutinibを加えることで、増悪リスクが80%低下することが、ランダム化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験HELIOSの初めての報告で明らかになった。米国Mayo Clinic Cancer CenterのAsher Chanan-Khan氏らが、5月29日から6月2日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)で発表した。

 治療歴のあるCLL/SLL患者を対象に、ベンダムスチンとリツキシマブの併用療法(BR療法)を最大6サイクルまで行い、さらに1サイクル目の第2日からibrutinibを420mg/日もしくはプラセボを経口投与した。ベンダムスチンは70mg/m2を1サイクル目は第2-3日に、2-6サイクル目は第1-2日に投与し、リツキシマブは1サイクル目に375mg/m2を第1日に、2-6サイクル目は500mg/m2を第1日に投与した。

 患者はプリンアナログによる免疫化学療法に対する抵抗性、前治療ライン数で層別化された。主要評価項目は独立審査委員会(IRC)による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、MRD(微少残存病変)陰性の割合、安全性であった。

 試験には578人が登録し、各群は289人であった。年齢中央値はibrutinib群64歳、プラセボ群63歳、両群ともCLLが88.9%を占め、SLLが11.1%だった。Rai分類でステージ3/4が38.7%、46.1%、前治療歴の中央値は両群とも2レジメンだった。プリンアナログを使用していた患者は7割、アルキル化剤は9割以上に使用されていた。プリンアナログ抵抗性の患者は26%、25.6%だった。

 BR療法を6サイクル完遂した患者はibrutinib群81.9%、プラセボ群77.4%であった。Ibrutinibの用量強度の中央値は97.1%、12カ月以上投与した患者は73.2%だった。

 フォローアップ期間中央値17.02カ月で、IRC評価のPFSはibrutinib群で顕著に延長し、中央値には達していない。プラセボ群のPFS中央値は13.3カ月、ハザード比は0.203、95%信頼区間:0.150-0.276、p<0.0001だった。治験担当医師評価のPFSのハザード比0.201、95%信頼区間:0.145-0.278。このため、「BR療法へのibrutinibの追加は、プラセボに比べて、増悪もしくは死亡リスクを80%低下させた」とした。PFSのサブグループ解析ではいずれのサブグループでもibrutinib群が良好だった。

 奏効率はIRC評価でibrutinib群が82.7%、プラセボ群67.8%だった(p<0.0001)。完全寛解(CR)と血液の回復が不完全な完全寛解(CRi)の合計はそれぞれ10.4%、2.8%であった。また治験医師評価の奏効率は86.2%、68.9%(p<0.0001)であり、CR+CRi割合は21.4%、5.9%だった。

 OS中央値には到達していない。OSハザード比は0.628、p=0.0598であった。プラセボ群の31%(90人)はPDが確定し、ibrutinibの投与を受けた。

 MRD陰性の割合は、ibrutinib群12.8%、プラセボ群は4.8%(p=0.0011)となった。

 ibrutinib群の安全性はBR療法とibrutinibで報告されていた結果と一致した。有害事象は2群間でほぼ同じであり、グレード3/4の有害事象は、好中球減少症がibrutinib群53.7%、プラセボ群50.5%、血小板減少症が両群とも15%だった。グレード3/4の心房細動が2.8%、0.7%、大出血が3.8%、1.7%であった。

 これらのことから、「治療歴のあるCLL/SLL患者に対し、標準的治療であるBR療法よりも、ibrutinib+BR療法は優れていることが示された」とした。

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