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2015/6/2

膵がん患者団体パンキャンジャパンが塩崎厚労相に要望書提出

ドラッグラグ解消とアイソトープ治療の早期承認求める

福島安紀=医療ライター

 膵がんの患者支援団体NPO法人パンキャンジャパン(理事長・眞島嘉幸氏)が5月1日、厚生労働大臣の塩崎恭久氏に、3万3778筆の署名からなる「膵臓がん治療薬のドラッグラグ解消に関する要望書」を手渡した。進行膵がん患者の落合誠一さんらも同席し、一剤でも多くの薬の承認を望む患者の窮状を訴えた。


 パンキャンジャパンが塩崎大臣に要望したのは、(1)NCCNガイドライン(米国のがん診療ガイドライン)で膵がんあるいは膵神経内分泌腫瘍の標準治療薬となっているが国内では未承認となっている薬の早期承認、(2)欧米では標準的に行われている膵神経内分泌腫瘍の検査法と治療法の早期承認――の2点。

 (1)で早期承認を要望している薬剤は、膵がん治療薬のゲムシタビンと組み合わせて使うと効果的とされるシスプラチン、カペシタビンなどだ。他のがんではかなり前から使われているものの膵がんには適応外の薬となっている(表1)。

表1 膵がんNCCNガイドラインに記載されているが国内では未承認の抗がん剤の組み合わせ
(パンキャンジャパン資料より。赤字が膵がんに対して未承認の薬)

厚生労働大臣の塩崎恭久氏に要望書を手渡すパンキャンジャパン理事長の眞島善幸氏。

膵がん適応外薬の一刻も早い承認を
 「署名活動は今回で3回目。新薬の承認は確実に早くなりドラッグラグが解消してきたが、シスプラチンなど、すでに特許が切れ後発医薬品が出ているような薬の承認はなかなか進まない。特許が切れた薬は治験を実施しても製薬企業にインセンティブがないため治験が行われないが、他のがんでは日本でも使われている薬であり、膵がんにも適応を拡大していただきたい」。パンキャンジャパン理事長の眞島氏はそう強調した。

 また、2002年にIV期の進行膵がんと診断され、現在も治療中の落合誠一氏は次のように訴えた。「膵がん患者の8割は手術ができず、再発を含めると、もっと多くの患者さんが抗がん剤による全身療法に頼らねばならない状況だ。薬がないのではなく、使えば一定の効果が期待できる薬はジェネリック医薬品を含め多数あるのに使うことができず、患者が世を去っていくという現実は、膵がん患者としてとても残念で悔しい。本署名は、治療薬を使い切り、追い詰められ待ったなしの全国の膵がん患者・家族、協力者の尊い思いがたくさん詰まっている。膵がんはとてつもなく厳しく、薬剤がまだまだ足りていないというのが現状。一刻も早く一剤でも多く使えるようにし、これからも命をつないで生きるという希望を与えていただきたい」

 2008年に49歳だった夫を膵がんで亡くした大岡智子氏も遺族代表として手渡し式に立ち会った。「夫の治療中、これ以上できることはないことを主治医から告げられた時のことは生涯忘れることはできない。使える抗がん剤が一剤でも多く増えることは、患者とその家族にとって延命への希望の光となる」と、塩崎氏に語りかけた。

 眞島氏は、手術後に再発し治療中の井出孝夫氏の手紙を代読し、遺伝性(家族性)膵がんの治療に効果が高いとされるゲムシタビンとシスプラチンの併用療法の早期承認を求めた。

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