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2015/5/22

進行黒色腫患者に対する術後のイピリムマブの投与でRFSが改善

森下紀代美=医学ライター

 再発のリスクが高いIII期の進行黒色腫患者に対し、切除後に抗CTLA-4抗体イピリムマブを投与すると無再発生存期間(RFS)が有意に改善することが、国際的なフェーズ3試験(EORTC18071)から示された。同試験に参加した米Moffitt Cancer Centerが5月19日、明らかにしたもので、結果はLancet Oncology誌に掲載された(Lancet Oncology 2015 May;16(5):522-30)。

 EORTC18071試験に参加した研究者らは、進行期の黒色腫患者に対し、原発巣である黒色腫の切除と所属リンパ節の郭清を行った後、イピリムマブを投与することにより、生存期間を改善することができるかを検討した。

 対象は、2008年7月10日から2011年8月1日までに19カ国から登録された患者951人。イピリムマブ10mg/kgを3週毎に4回、その後は3カ月毎に3年間投与する群(イピリムマブ群)に476人、プラセボを投与する群(プラセボ群)に475人がランダムに割り付けられた。主要評価項目はRFSだった。

 その結果、イピリムマブ群では、黒色腫の再発を認めずに生存期間が延長した。RFS中央値は、イピリムマブ群26.1カ月、プラセボ群17.1カ月、ハザード比0.75(95%信頼区間:0.64-0.90)となった(p=0.0013)。3年無再発生存率は、イピリムマブ群46.5%、プラセボ群34.8%だった。

 研究者らは、イピリムマブの効果が高い患者特性として、所属リンパ節に微小転移を有する患者であること、イピリムマブが奏効し表面を覆う皮膚が崩壊した腫瘍であることも見い出した。

 有望な結果が示された反面、プラセボ群と比べてイピリムマブ群では毒性が強く、胃腸障害、腎機能低下、下垂体炎などが観察された。このような有害事象により、イピリムマブ群では患者の52%が治療完遂前に治療を中止し、このうち39%は最初の4回の投与期間中の中止だった。さらにイピリムマブ群では、5人(1%)が有害事象により治療期間中に死亡している。

 EORTC18071試験で使用されたイピリムマブの用量は、黒色腫患者に通常使用される用量よりも有意に高かった。同試験の用量による有用性と毒性が増すリスクのどちらが重要であるかを確認するためには、さらに臨床試験で検討する必要がある。

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