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2015/2/27

中リスク前立腺癌に対し短期アンドロゲン除去療法と放射線療法の併用は有用性が高い【ASCO GU2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 中リスク前立腺癌において、短期のアンドロゲン除去療法(ADT)と放射線療法との併用は、放射線療法単独よりも、生化学的再発を抑制し、無病生存期間(DFS)を改善することが、前向き多施設共同ランダム化フェーズ3試験(PCS III)で明らかになった。カナダCentre Hospitalier Universitaire de SherbrookeのAbdenour Nabid氏らが、2月26日から28日まで米国オーランドで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2015で発表した。

 PCS(Prostate Cancer Study)IIIには、2000年12月から2010年9月に、中リスク前立腺癌患者600人が登録された。中リスク前立腺癌は、T1-T2、Gleasonスコア6以下、PSA値10-20ng/mLもしくはT1-T2、Gleasonスコア7、PSA値20ng/mL以下と定義された。

 患者は、6カ月間の短期ADTと線量70Gyの放射線療法を行う群(RT70群)、短期ADTと76Gyの放射線療法を行う群(RT76群)、線量76Gyで放射線療法のみを行う群(RT単独群)の3つに分けられた(各群200人)。

 短期ADTには、ビカルタミドとゴセレリンが用いられ、放射線療法の前に4カ月間、放射線療法と同時併用で2カ月間投与された。

 放射線療法は1回2Gyで、短期ADTとの併用群では短期ADT開始から4カ月後に始められ、RT単独群ではランダム化後4週以内に開始された。RT70群では7週間で70Gy、RT76群は7.5週間で76Gy、RT単独群も7.5週間で76Gyが照射された。

 主要評価項目は生化学的再発およびDFSで、副次評価項目は全生存期間(OS)とホルモン療法および放射線療法による毒性であった。

 患者背景は3つの群においてバランスがとれていた。年齢中央値は71歳、PSA中央値は10ng/mL、Gleasonスコアの中央値は7だった。ただしPSA値10-20ng/mLの人がRT70群60.5%、RT76群49.5%、RT単独群60.0%であり、RT70群とRT76群、RT76群とRT単独群では有意な違いがあった。

 フォローアップ期間中央値75.4カ月において、生化学的再発(nadir+2)は84人(14%)に見られた。RT70群では12.5%、RT76群は8.0%、RT単独群では21.5%であり、RT70群とRT76群に有意差はなかったが、RT70群とRT単独群(p=0.023)、RT76群とRT単独群(p<0.001)では有意差があった。

 生化学的再発率は5年時点で、RT70群7.8%、RT76群2.4%、RT単独群13.2%であり、10年時点ではRT70群23.4%、RT76群16.6%、RT単独群34.5%となった。5年時点も10年時点も、RT70群およびRT76群はRT単独群と有意な違いがあった。

 また骨転移の割合が、RT70群では0.5%、RT76群は1.5%だが、RT単独群では5.0%に見られ、RT70群とRT単独群で有意差があった(p=0.011)。リンパ節転移の割合は3群で有意な違いはなかった。

 5年DFS率はRT70群93.1%、RT76群97.6%、RT単独群86.3%で、10年DFS率はそれぞれ77.2%、89.8%、64.7%だった。5年DFS率はいずれも有意差が認められたが、10年DFS率はRT70群とRT単独群(p=0.01)、RT76群とRT単独群(p<0.001)で有意差が示された。

 全体で113人(18.8%)が死亡し、前立腺癌による死亡は6人(1%)で、3群間に有意な違いはなかった。

 OSについて、5年生存率はRT70群90.8%、RT76群95.1%、RT単独群92.8%、10年生存率はそれぞれ63.8%、69.8%、78.3%だった。生存率についてはいずれも有意な差はなかった。

 以上のことから、中リスク前立腺癌において、短期ADTと放射線療法との併用は、たとえ低線量であっても、放射線療法単独よりも、生化学的再発を抑え、良好なDFSが得られるが、OSの改善には反映されなかったとまとめた。

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