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2015/1/18

大腸癌に対する腹腔鏡下手術と開腹手術でOSの非劣性は証明されず、しかし生存率は同等【ASCO-GI2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 ステージII/III大腸癌において、全結腸間膜切除(CME)を伴う腹腔鏡下手術は、開腹手術に対する非劣性は証明されなかったことが、ランダム化比較試験(JCOG0404)の生存に関する結果で明らかになった。大分大学医学部消化器・小児外科学講座の猪股雅史氏らが、1月15日から17日までサンフランシスコで開催された2015 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO-GI2015)で発表した。

 JCOG0404試験は、組織学的に大腸癌と診断され、占居部位が盲腸、上行結腸、S状結腸、直腸S状部で、T3/T4(他臓器浸潤を除く)の患者を対象とした。開腹手術で大腸切除を行う群と腹腔鏡下で大腸切除を行う群に分けた。また病理学的にステージIIIの患者には5-FUとロイコボリンによる術後補助療法が行われた。

 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無再発生存期間(RFS)、術後早期の治療成績、有害事象、腹腔鏡下手術群における開腹手術への移行割合とした。

 2004年10月から2009年3月までに国内30施設から1057人が登録した。開腹手術群528人、腹腔鏡下手術群529人だった。開腹手術への移行は29人(5.5%)だった。

 OSについて、開腹手術群に対する腹腔鏡下手術群のハザード比は1.056(90%信頼区間:0.790-1.413)、p=0.0732であり、腹腔鏡下手術の非劣性は示されなかった。5年生存率は開腹手術群で90.4% (95%信頼区間:87.5-92.6) 、腹腔鏡下手術群で91.8% (同:89.1-93.8)だった。

 RFSについては、開腹手術群に対する腹腔鏡下手術群のハザード比は1.065(95%信頼区間:0.822-1.381)だった。5年RFS率は開腹手術群で79.7%(95%信頼区間:76.0-82.9)、腹腔鏡下手術群で79.3%(同:75.6-82.6)であった。

 グレード2-4の晩期合併症は11.3%で、開腹手術群12.5%、開腹手術群10.1%だった。このうち便秘が開腹手術群6.0%、腹腔鏡下手術群4.4%、下痢が開腹手術群2.9%、腹腔鏡下手術群2.7%で、麻痺性イレウスが開腹手術群1.2%、腹腔鏡下手術群1.7%、小腸閉塞が開腹手術群3.1%、腹腔鏡下手術群2.1%だった。

 以上の結果から、ステージII/IIIの大腸癌において、OSでは腹腔鏡下手術の非劣性は示されなかった。その理由について、猪股氏は「両群とも予想外に予後が良く、イベント発生は50.4%と少なかった。試験を開始した10年前に比べて、再発後の治療や転移に対する手術が進歩したためだろう」と述べた。

 腹腔鏡下手術の非劣性は証明されなかったが、OSもRFSも2群でほぼ同等であったことから、「熟練した施設では腹腔鏡下手術もオプションになるだろう」と話した。

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