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2015/1/18

転移性大腸癌では血中ビタミンD濃度が高いほど生存は良好、CALGB/SWOG 80405試験の解析【ASCO-GI2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 転移性大腸癌において、血中ビタミンD濃度と生存は有意に関連しており、ビタミンD濃度が高いほど生存は延長することが、CALGB/SWOG 80405試験のデータを解析して明らかになった。米国Dana-Farber Cancer InstituteのKimmie Ng氏らが、1月15日から17日までサンフランシスコで開催された2015 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO-GI2015)で発表した。

 ビタミンDは細胞増殖や血管新生を阻害し、細胞分化やアポトーシスを促すといわれている。ビタミンD受容体や1-α-ヒドロキシラーゼが大腸癌細胞では発現しており、細胞株ではビタミンDの増殖を抑える作用が確認されている。また大腸癌患者を対象とした観察研究では、血中のビタミンD濃度が高いほど、死亡リスクが低いことが報告されている。

 そこでCALGB/SWOG 80405試験に登録した転移性大腸癌を対象に、血漿中の25(OH)Dと全生存期間(OS) の関連性を検討した。CALGB/SWOG 80405試験はKRAS野生型の転移性大腸癌患者の1次治療としてFOLFOX/FOLFIRI+ベバシズマブとFOLFOX/FOLFIRI+セツキシマブを比較した試験だが、試験開始当初はベバシズマブとセツキシマブを両方加える群もあり、RAS変異型患者も含まれていた。

 今回の解析では、登録された全患者2334人のうち血漿中の25(OH)Dが測定できた1043人を対象とした。血漿中25(OH)Dレベルは放射免疫測定法でベースライン時に測定した。また食生活や生活習慣についても質問票を使って調べた。

 この結果、血漿中25(OH)D濃度の中央値は17.2ng/mL(2.2-72.7)だった。北部もしくは北東部に住んでいる患者、冬および春に採血した患者、肥満者、身体活動レベルが低い患者、ビタミンDサプリメントの使用を報告していない患者において、25(OH)D濃度は有意に低かった。

 25(OH)D濃度によって5群に分け、Q1群(2.2-10.8ng/mL)、Q2群(10.9-15.4ng/mL)、Q3群(15.5-19.2ng/mL)、Q4群(19.3-24ng/mL)Q5群(24.1-72.7ng/mL)とした。Q1群+Q2群、Q3群+Q4群、Q5群で比べると、濃度が高い群ほどOSは有意に優れていた(p=0.01)。OS中央値はQ1群では24.5カ月、Q2群は30カ月、Q3群は28.4カ月、Q4群は27.2カ月、Q5群は32.6カ月だった。

 無増悪生存期間(PFS)も同様に、25(OH)D濃度が高いほどPFSは良好だった(p=0.02)。

 次に多変量解析で、年齢、性別、人種、ECOG PS、化学療法歴、RAS変異の状態、採血の時期、居住地域、BMI、身体活動などで調整した結果、Q1群に対するOSハザード比は、Q2群では0.83、Q3群では0.81、Q4群では0.79、Q5群では0.65(95%信頼区間:0.51-0.83)だった(p trend=0.001)。

 同様にPFSも、Q1群に対するハザード比は、それぞれ0.99、0.84、0.83、0.79だった(p trend=0.01)。

 この結果は年齢、性別、人種、ECOG PS、化学療法、治療群、RAS変異の状態、BMI、身体活動で分けたサブグループでも同じであった。

 以上のことから、「転移性大腸癌患者ではビタミンDが不足していることが多い。血漿25(OH)D濃度は高いほど、有意にOSおよびPFSを改善する」とした。転移性大腸癌患者を対象に、FOLFOX+ベバシズマブにビタミンDを追加するランダム化フェーズ2試験が現在進行している。

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