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2015/1/16

食道扁平上皮癌に対しネオアジュバント療法と手術による治療は化学放射線療法より予後良好の可能性【ASCO-GI2015】

八倉巻尚子=医学ライター

 ステージII/IIIの食道扁平上皮癌患者において、ネオアジュバント療法後に手術を行う治療は化学放射線療法よりも予後が良好であることが、2000年に開始された2つの試験(JCOG9907、JCOG9906)を解析した研究(JCOG1406-A)で明らかになった。愛知県がんセンター中央病院薬物療法部の野村基雄氏らが、1月15日から17日までサンフランシスコで開催されている2015 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO-GI2015)で発表した。

 ネオアジュバント療法後に手術を行う治療(NAC-S)は、ステージII/IIIの食道扁平上皮癌(ESCC)の標準治療となっている。また化学放射線療法(CRT)も手術を拒否あるいは手術が適応されない患者に対する治療選択肢となっているが、NAC-SとCRTを比較したランダム化試験は実施されていない。

 そこで、ステージII/IIIのESCCを対象としたJCOG9907試験とJCOG9906試験のデータを用いて、NAC-SとCRTが比較された。

 JCOG9907試験は、2000年から2006年に行われ、NAC-S群と手術+術後化学療法群が比較された。NAC-S群では、シスプラチン(80mg/m2を1日目に投与)と5-FU(800mg/m2を1-5日目に投与)による化学療法を2コース行い、その後、食道切除術を行った。結果、NAC-S群のほうが全生存期間(OS)は優れていた。5年生存率がNAC-S群は55%、手術および術後化学療法群は43%だった。

 JCOG9906試験は、2000年から2002年に行われたCRTの単群の試験。シスプラチン(40mg/m2を1日目と8日目に投与)と5-FU(400mg/m2を1-5日目および8-12日目に投与)による化学療法を2コース行い、さらに放射線療法(総線量60Gy)を行った。結果、5年生存率は37%であった。

 解析対象は、JCOG9907試験のNAC-S群(163人)、JCOG 9906試験のCRT群(73人)で、患者背景は2つの群でほぼ同じであった。

 その結果、無増悪生存期間(PFS)はNAC-S群が有意に優れており、調整ハザード比は1.76(95%信頼区間:1.24-2.48)だった。また各サブグループ(アルブミン値、T因子、N因子、ステージ、腫瘍部位)でもNAC-S群が良好の傾向が見られた。

 OSもNAC-S群のほうが優れており、調整ハザード比は1.73(95%信頼区間:1.19-2.51)だった。各サブグループでもNAC-S群のほうが優れていた。

 以上のことから、「今回の2つの試験ではNAC-Sの予後はすべてのサブグループで優れていた」とした。ただしJCOG9906試験のレジメンは現在一般的に用いられている治療とは異なる。化学療法と放射線療法の線量を調整したCRTの安全性と有効性を検討するための単群の試験(JCOG0909)が進行しており、その試験の結果との比較も必要であるとした。

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