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2014/12/13

毎週パクリタキセルと3週毎ドセタキセルはリンパ節転移陽性または高リスクの乳癌患者のDFSを改善、10年の追跡結果【SABCS2014】

森下紀代美=医学ライター

 腋窩リンパ節転移陽性、または高リスクのリンパ節転移陰性の乳癌患者に対する術後化学療法として、AC療法施行後の毎週パクリタキセルと3週毎ドセタキセルは、3週毎パクリタキセルと比べて無病生存率(DFS)を有意に改善することが、大規模なフェーズ3試験(E1199)の10年間の追跡結果から明らかになった。全生存率(OS)の改善はわずかだった。12月9日から13日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)で、米国Albert Einstein College of MedicineのJoseph A Sparano氏が発表した。

 E1199試験の対象は、腋窩リンパ節転移陽性、または高リスク(腫瘍径2cm以上)のリンパ節転移陰性の乳癌患者。

 全例にAC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を3週毎に4サイクル行い、続いて次のいずれかの治療を行った。P3群:パクリタキセル175mg/m2を3週毎に4サイクル、P1群:パクリタキセル80mg/m2を毎週、計12サイクル、D3群:ドセタキセル100mg/m2を3週毎に4サイクル、D1群:ドセタキセル35mg/m2を毎週、計12サイクル。ランダム化割り付けはAC療法の開始前に行った。ER陽性乳癌患者には、タモキシフェンおよび/またはアロマターゼ阻害剤による内分泌療法を5年間行った。

 同試験の主な比較項目はタキサン(パクリタキセルvsドセタキセル)および投与スケジュール(3週毎vs毎週)、主要評価項目はDFSで、DFSのイベントはランダム化割り付け後の再発、対側乳癌、再発を伴わない死亡と定義した。

 1999年10月から2002年1月までに4954人が登録された。患者の年齢中央値は51歳(範囲:19-84)、閉経前の患者は46%、肥満の患者は35%、88%の患者に腋窩リンパ節転移があり、ER陽性は69%、HER2陽性は20%、乳房温存手術が行われたのは39%だった。内分泌療法が行われた患者は4群間で同等だった。

 追跡期間中央値5.3年における最初の結果はすでに発表されている(J.A. Sprano, et al. N Eng J Med 2008;358:1663-71)。DFSのイベントは1058件、死亡は686件発生した。主な比較項目では、タキサンと投与スケジュールの間に有意な交互作用はなかった。DFSはP1群とD3群で、OSはP1群で改善を認めた。ホルモン受容体(HR)の発現の有無に関わらず、P1群でDFSとOSは改善し、HER2陰性でもP1群の有用性は一致していた。また、肥満(BMI>30kg/m2)と黒人の患者では、エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌で転帰が不良であることも示された。

 今回は、追跡期間中央値12.1年の最新結果が発表された。生存中の患者の89.7%が10年以上追跡を受けていた。DFSのイベントは1639件、死亡は1283件発生した。主な比較項目のタキサンと投与スケジュールの間には有意な交互作用があったが(p<0.007)、タキサンや投与スケジュールによるDFS、OSの有意差はなかった。

 標準的なP3群とその他の3群を比較すると、ハザード比で有意に優れていたのは、DFSではP1群の0.84(95%信頼区間:0.73-0.96、p=0.011)、D3群の0.79(95%信頼区間:0.68-0.90、p=0.001)だった。OSでは有意差はなく、P1群で0.87(95%信頼区間:0.75-1.02、p=0.09)、D3群で0.86(95%信頼区間:0.73-1.00、p=0.054)だった。

 探索的な解析としてサブタイプによる評価を行ったところ、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の患者1025人では、10年時DFSはP1群が69%と最も高く、有意に改善し(ハザード比0.69、95%信頼区間:0.52-0.91、p=0.01)、10年時OSもP1群が75.1%で最も高く、有意に改善した(ハザード比0.69、95%信頼区間:0.50-0.94、p=0.019)。

 ER陽性、HER2陰性または不明乳癌(ERBC)の患者2785人では、10年時DFSはD3群が75.3%と最も高く、有意に改善した(ハザード比0.76、95%信頼区間:0.63-0.91、p=0.004)が、10年時OSはD3群が81.6%で最も高かったものの、有意差はなかった(ハザード比0.87、95%信頼区間:0.69-1.08、p=0.20)。

 サブタイプでみた再発のリスクは、TNBCでは最初の3年間に最も高く、その後は低下していた。HR陽性乳癌では5年以降もリスクが持続した。さらにBMIも評価すると、診断から8年後の時点で再発のリスクが最も高いのはHR陽性乳癌で肥満の患者だった。ERBCの患者では黒人と肥満の患者で予後不良と強く相関することも確認された。

 Sparano氏は最後に、晩期再発の決定因子を同定するため、ECOG-ACRIN North American Breast Cancer Intergroupの支援を受けてLate relapse Biospecimen Bankを創設したことも紹介した。

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