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2014/12/10

ボスチニブはCP CMLのサードライン治療として治療4年目以降も有効性が持続【ASH2014】

森下紀代美=医学ライター

 経口SRC/ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)のボスチニブは、2種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療に耐性または不耐容の慢性期慢性骨髄性白血病(CP CML)患者に対するサードライン治療として、治療開始から4年目以降も有効性が持続し、毒性は管理可能であることが、フェーズ1/2試験の48カ月の追跡結果から示された。12月6日から9日まで米国サンフランシスコで開催された第56回米国血液学会(ASH2014)で、イタリアUniversity of Millano-BicoccaのCarlo Gambacorti-Passerini氏が発表した。

 Passerini氏らは、前治療のTKIで効果が得られなかったCP CML患者に対するサードライン(またはそれ以降の)治療として、ボスチニブの有効性と安全性を評価する非盲検のフェーズ1/2試験を行っている。同試験のパート1の部分では開始用量を検討し、推奨量を500mg/日に決定した。パート2の部分では有効性と安全性が評価され、現在も進行中である。今回は48カ月追跡した長期成績が発表された。

 同試験の対象は、フィラデルフィア染色体(Ph)陽性のCP CML患者で、イマチニブに耐性(600mg/日以上)または不耐容(用量を問わない)であることに加え、ダサチニブ(100mg/日以上)に耐性(IM+D-R群)または不耐容(IM+D-I群)、ニロチニブ(800mg/日)に耐性(IM+N-R群)、ニロチニブに不耐容またはダサチニブに耐性または不耐容(IM+N±D)のいずれかであることとした。ECOG PSは0または1とした。

 CP CML患者119人が登録され、試験治療を受けた。IM+D-R群38人、IM+D-I群50人、IM+N-R群26人、IM+N±D群5人となった。全対象の年齢中央値は56歳(範囲:20-79)、男性45%、白人73%、ECOG PS 0の患者は71%だった。CMLの診断からの期間の中央値は6.6年で、同試験の追跡期間中央値は31.1カ月だった。ボスチニブの投与期間中央値は8.6カ月だった。2014年5月の時点で29人(24%)は4年以上投与を継続中である。ボスチニブを600mg/日に増量した患者は22人(18%)だった。

 74%の患者で血液学的完全寛解(CHR)が新たに得られるか、維持された。細胞遺伝学的効果(MCyR)が新たに得られた患者は33%、維持された患者は7%だった。細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)が新たに得られた患者は26%、維持された患者は6%だった。寛解が得られた患者では、MCyRまでの期間の中央値は12.1週(範囲:3.9-216)、CCyRまでの期間の中央値は24週(範囲:11.6-216)だった。

 治療開始から4年時にCHR、MCyR、CCyRが維持されている割合は、それぞれ63%、69%、54%となった。CHRの持続期間の中央値は292.4週(95%信頼区間:218-未到達)だった。対象が前治療を受けていることから、Passerini氏が「CCyRよりも重要と考える」とするMCyRは、持続期間の中央値が約180週となった。

 95人ではベースラインで遺伝子変異の状態が判明しており、2個以上の遺伝子変異を有する11人を含む39人(41%)で20個の独特なBCR-ABL遺伝子変異を認めた。多く認められたのはF317L(8人)、T315I(7人)、G250E(6人)、Y253H(6人)だった。CHRとMCyRは、遺伝子変異を認めない患者ではそれぞれ77%と37%、遺伝子変異が1個の患者では75%と38%と同様で、遺伝子変異が2個以上の患者では45%と27%、T315Iを有する患者では29%と14%だった。ボスチニブは、T315IとV299Lを除くベースラインの一連のBCR-ABL遺伝子変異のCHRとMCyRと関連していた。

 治療前と治療中に遺伝子変異を評価した57人中、13人で新たに1個以上のBCR-ABL遺伝子変異(V299L6人、T315I 3人、G250E 2人、F359C、L248V、L273Mが各1人)を認めた。

 4年の時点で、治療中の進行(移行期[AP]または急性転化期[BP]への転化)または死亡は24%と推定された。AP/BP CMLに転化した患者は4%と少なく、全例がAPへの転化で、ボスチニブによる治療開始から最初の2年間に発生していた。

 2年時全生存率(OS)は84%(95%信頼区間:76-90)だった。4年時OSは、治療中止後の追跡が限定されるため発表されていない。試験期間中に26人(22%)が死亡し、このうち12人は進行、11人は有害事象による死亡だった。

 治療に関連する非血液毒性で多かったのは、下痢(全グレード83%、グレード3/4 9%)、悪心(同48%、1%)、嘔吐(同38%、1%)などだった。血液毒性では、血小板減少(同39%、26%)、好中球減少(同21%、16%)、貧血(同20%、7%)だった。心毒性は全グレードで16%(19人)に発現し、グレード3/4/5の頻度は6%/3%/2%で、このうち8人(42%)は心事象の既往を有していた。

 有害事象による治療中止は29%で、ほとんどが1年目に起こり(19%)、最も多かったのは血小板減少(5%)による中止だった。4年目の有害事象による治療中止は9%だった。

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