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2014/12/9

高齢の多発性骨髄腫患者に対するVMP療法とRd療法のシークエンシャル投与と交互投与、有効性と毒性は同様【ASH2014】

森下紀代美=医学ライター

 高齢の多発性骨髄腫患者に対し、VMP療法(ボルテゾミブ、メルファラン、プレドニゾン)とRd療法(レナリドミド、デキサメタゾン)を交互に行うレジメンは、シークエンシャルに行うレジメンと有効性および毒性が同様で、これらの総合的な治療は特に65-75歳の患者で有効であり、高リスクの細胞遺伝学的な異常を認める患者の予後も改善する可能性が示された。12月6日から9日まで米国サンフランシスコで開催されている第56回米国血液学会(ASH2014)で、スペインHospital Universitario SalmancaのMaria-Victoria Mateos氏が発表した。

 Mateos氏らは、新たに診断された症候性の多発性骨髄腫で、65歳を超える年齢の患者に対し、VMP療法とRd療法を交互に行うレジメンは、シークエンシャルに行うレジメンと比べて有効性が高く、累積毒性が少ないなどの仮説を立て、両レジメンを比較し検証した。

 GEM2010MAS65試験で、治療はVMP療法を9サイクル行い、その後Rd療法を9サイクル行う群(シークエンシャル投与群)、またはVMP療法とRd療法を交互に、計18サイクル行う群(交互投与群)とし、治療期間は計74週とした。VMP療法では、1サイクル目は6週、その後の8サイクルは4週を1サイクルとして、ボルテゾミブ1.3mg/m2を週1回静脈内投与(1サイクル目のみ週2回投与)し、経口のメルファラン9mg/m2(75歳超では6mg/m2)とプレゾニゾロン60mg/m2を1日1回、1-4日目まで併用した。Rd療法では、4週を1サイクルとして、レナリドミド25mg/日を1-21日目まで、デキサメタゾン40mgを週1回投与した。

 同試験の目的は、両レジメンの有効性を完全寛解率(CR)で評価すること、両レジメンの安全性を比較すること、無増悪生存率(PFS)と全生存率(OS)で結果を解析すること、高リスクの患者における両レジメンの役割を評価することだった。

 233人で安全性と有効性の評価が可能で、シークエンシャル投与群118人、交互投与群115人となった。患者背景は両群でバランスがとれ、シークエンシャル投与群と交互投与群の年齢中央値はそれぞれ75歳(範囲:65-89)と73歳(範囲:66-87)、75歳以上の患者はそれぞれ55%と45%、国際病期分類(ISS)のIII期は35%と29%、高リスクの細胞遺伝学的な異常のt(4;14)、t(14;16)、del(17pまたは+1q)は51%と50%で認めた。

 9サイクル施行後、ITT解析対象における有効性は、厳密完全寛解率(sCR)またはCRは、シークエンシャル投与群21%、交互投与群34%で、シークエンシャル投与群で有意に低かった(p=0.01)。最良部分寛解(VGPR)以上はそれぞれ48%と59%だった(p=0.002)。

 しかし、18サイクル(中央値)施行後のsCRまたはCRは、シークエンシャル投与群42%、交互投与群40%、VGPR以上はそれぞれ63%と64%となった。sCRまたはCRが得られた患者のうち、フローサイトメトリーでCRが確認されたのは、シークエンシャル投与群58%、交互投与群53%だった。

 追跡期間中央値30カ月において、無増悪生存期間中央値はシークエンシャル投与群32カ月、交互投与群34カ月、3年時OSはシークエンシャル投与群73%、交互投与群71%でいずれも有意差はなかった。18サイクルの治療を完了した患者でも、3年時PFSはシークエンシャル投与群52%、交互投与群60%、3年時OSはそれぞれ91%と95%で、いずれも有意差はなかった。

 sCRまたはCRが得られた患者と得られなかった患者を比較すると、前者でPFSとOSが有意に改善した。3年時PFSは、sCRまたはCRが得られた患者で70%、得られなかった患者で27%(p<0.0001)、3年OSはそれぞれ95%と58%だった(p<0.0001)。sCRまたはCRが得られた患者のうち、フローサイトメトリ法でCRが確認された患者では、3年時無増悪期間(TTP)が85%となり、CRが確認されなかった患者の64%と比べて有意に改善した(p=0.01)が、3年時OSはそれぞれ95%と73%で有意差はなかった。

 また75歳未満の患者では、75歳以上の患者と比べて、3年無増悪生存期間はそれぞれ37カ月と27カ月(p=0.04)、3年時OSは89%と56%(p<0.0001)と有意に改善した。

 また細胞遺伝学的な異常による標準的リスクの患者と高リスクの患者では、無増悪生存期間中央値はそれぞれ35カ月と24カ月、3年時OSはそれぞれ79%と72%で、いずれも有意差はなかったが、高リスクの患者で短い傾向がみられた。

 毒性はシークエンシャル投与群と交互投与群で有意差はなかった。血液毒性では、グレード3/4の好中球減少はシークエンシャル投与群19%、交互投与群22%、血小板減少はそれぞれ21%と20%だった。非血液毒性では、グレード3/4の感染症はシークエンシャル投与群6%、交互投与群7%、末梢神経障害はそれぞれ4%と3%、消化管毒性は両群で6%、深部静脈血栓症は両群で3%だった。

 早期の治療中止はシークエンシャル投与群28%、交互投与群30%で、両群ともに最も多かったのは毒性による中止で、それぞれ15%と18%だった。早期中止の70%は75歳を超える患者で発生し、すべての早期死亡は75歳超で共存症を持つ患者で発生した。

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