このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2014/12/9

BiTE抗体blinatumomabが微少残存病変を持つB細胞前駆型急性リンパ芽球性白血病に有効な可能性【ASH2014】

横山勇生

 BiTE(Bispecific T Cell Engagers)抗体blinatumomabが、微少残存病変(minimal residual disease:MRD)を有するB細胞前駆型急性リンパ芽球性白血病(ALL)に有効である可能性が明らかとなった。国際多施設単群フェーズ2試験、BLASTで高い有効性と忍容性が認められたもの。12月6日から9日までサンフランシスコで開催されている米国血液学会(ASH2014)で、ドイツGoethe University HospitalのNicola Goekbuget氏によって発表された。

 blinatumomabは、抗CD19抗体と抗CD3抗体の2種類の抗体の可変領域(VHとVL)が連結した形をとっている。そのためT細胞に発現しているCD3と結合して、T細胞を活性化させるだけでなく、CD19を発現しているBリンパ腫細胞とT細胞を引き寄せることにより、Bリンパ腫細胞を溶解してアポトーシスを誘導する。

 一般に、MRDのある患者の予後は、MRDのない患者に比べて不良であるといわれている。既に、症例数がそれほど多くない他のフェーズ2試験で、MRD陽性ALLに対するblinatumomabの効果が報告されている。

 今回はオープンラベル多施設確認試験として、MRD陽性B細胞前駆型ALLを対象にBLAST試験が行われた。MRDは10-4個の感度を持つ検出系で10-3個以上検出できる場合と定義された。2回目またはそれ以降の回数で寛解が得られた患者も含まれ、MRDに対する効果の評価は1サイクル目終了後に行われた。

 主要評価項目は、blinatumomab1サイクル後の完全MRD奏効率とされた。副次評価項目は副作用の発生、重篤度などだった。

 blinatumomabは6週間を1サイクルとして、28日間1日あたり15μg/m2投与され、2週間休薬した。最大で4サイクルまで実施できることとされた。

 2010年12月から2013年12月までに欧州の11カ国46施設で116人が登録された。治療が確認し30日の安全性観察期間を経た患者が115人で、観察期間中で生存しているのが72人(63%)、死亡のため試験終了となったのが43人(37%)だった。投与サイクル数中央値は2(1-4)、84人(72%)が1サイクル目を完了し、56人(48%)が2サイクル目を完了した。試験参加機関の中央値は12.1カ月(1-42)だった。

 MRDの評価は、PCR法によるイムノグロビンの増幅、T細胞受容体の再構成で中央評価を行った。主要評価項目はMRDが検出されずPCRで増幅も起きない完全MRD奏効とし、探索的評価項目としてMRD効果(MRDが10-4個未満)とした。

 116人のうち男性が59%、年齢中央値は45.0(18-76)。再発履歴は1回目のCRが得られていた患者は75人(65%)、2回目が39人(34%)、3回目が2人(2%)だった。ベースラインのMRDレベルは10-1以上が9人(8%)、10-2以上10-1未満が45人(39%)、10-3以上10-2未満が52人(45%)だった。

 フル解析セット(113人、3人はMRD測定不能)の評価で、1サイクル後に完全MRD奏効が得られたのは78%(95%信頼区間:69-85)で、1サイクル後にMRD効果が得られたのは85%(同:77-91)だった。特に投薬開始時に血液学的完全寛解が得られており、スクリーニング時にMRDが10-1以上の患者では1サイクル後に完全MRD奏効が得られたのは80%(95%信頼区間:71-87)となった。MRDに対する効果は高齢、高MRD量を含むすべてのサブグループで有効だった。

 全ての患者が少なくとも1つの副作用を経験した。31%の患者で副作用による投薬中断が起き、それは主にT細胞活性化に伴う神経学的イベントとインフルエンザ様症状のためだった。1サイクル目に生じた神経学的な副作用は効果に影響を与えなかった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ