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2014/12/9

標準的な化学療法+ソラフェニブは年齢が若い初発AML患者に有望、フェーズ2のランダム化試験の結果【ASH2014】

森下紀代美=医学ライター

 60歳以下の急性骨髄性白血病(AML)患者に対し、標準的な化学療法にソラフェニブを追加するレジメンは、プラセボの追加と比べて無イベント生存期間(EFS)と無再発生存期間(RFS)を有意に延長することが、フェーズ2のプラセボ対照ランダム化比較試験(SORAML)から示された。同試験は、AMLに対するキナーゼ阻害剤の有効性を示した初のランダム化比較試験となる。12月6日から9日まで米国サンフランシスコで開催されている第56回米国血液学会(ASH2014)で、ドイツUniversity Hospital DresdenのChristoph Rollig氏が発表した。

 マルチキナーゼ阻害剤のソラフェニブは、in vitroのデータおよび非ランダム化比較試験の結果から、AMLの治療に有効な可能性がある。ただし、61-80歳の患者を対象として、標準的な寛解導入療法と地固め療法にソラフェニブまたはプラセボを追加したランダム化比較試験では、ソラフェニブの全生存期間(OS)やEFSに対する有用性は示されなかった。

 しかし、AMLの生物学的な特徴から、年齢が若い患者では結果が異なると考えられる。そのため、SORAML試験では、対象を新たに診断された18-60歳のAML患者とした。その他の適格基準は、ECOG PS 0-2、適切な腎・肝機能を有することだった。急性前骨髄球性白血病(APL、M3)、顕著な心疾患やコントロール不能な高血圧の患者、治療歴があるAML患者などは除外された。

 全例に対する治療として、寛解導入療法では2サイクルのDA療法(ダウノルビシン60mg/m2を3-5日目、シタラビン100mg/m2を1-7日目まで持続投与)を行い、その後地固め療法として3サイクルの高用量シタラビン(3g/m2、1日2回、1、3、5日目)を投与した。1回目のDA療法で寛解が得られなかった患者は、2回目の寛解導入療法をHAM療法(シタラビン3g/m2、1日2回、1-3日目、ミトキサントロン10mg/m2を3-5日目に投与)とした。同種造血幹細胞移植(allo SCT)は、初回の完全寛解(CR)が得られた中等度リスクの患者には同胞ドナー、高リスク(3個以上の遺伝子変異、monosomy 7または5など)の患者には適合する血縁・非血縁ドナーで予定した。

 細胞遺伝学的および分子的なリスクで患者を1:1でブロックランダム化し、前述のプロトコールに追加して、二重盲検でソラフェニブを投与する群(ソラフェニブ群)、またはプラセボを投与する群(プラセボ群)に割り付けた。ソラフェニブは800mg/日の用量で、2回のDA療法の10-19日目、シタラビンによる地固め療法の各サイクルの8日目から次の地固め療法の開始まで、地固め療法終了後から12カ月間の維持療法で投与した。

 Rollig氏らは、ソラフェニブの追加によりEFSが9カ月から13.5カ月に延長するとの仮説を立てた。同試験の主要評価項目はEFSで、イベントはCR未達成、再発、死亡と定義した。副次的評価項目はRFS、OS、CR、毒性だった。

 2009年3月から2011年10月までに276人が登録され、267人が試験治療を受けた。ソラフェニブ群134人、プラセボ群133人となった。両群の患者背景と疾患の背景は同様で、年齢中央値は50歳、FLT3-ITDは両群ともに17%に認められた。

 CRはソラフェニブ群60%、プラセボ群59%だった。観察期間中央値36カ月において、主要評価項目であるEFS中央値は、ソラフェニブ群21カ月、プラセボ群9カ月、3年EFSの割合はそれぞれ40%と22%となり、ソラフェニブ群で有意に改善した(p=0.013)。

 RFS中央値は、プラセボ群の23カ月に対し、ソラフェニブ群では未到達で、3年RFSの割合はそれぞれ38%と56%となり、ソラフェニブ群で有意に改善した(p=0.017)。OS中央値は両群ともに未到達で、3年OSの割合はプラセボ群56%、ソラフェニブ群63%で有意差はなかった(p=0.382)。

 FLT3-ITD陽性の46人ではEFSには差はなかったが、RFSとOSはソラフェニブ群で延長する傾向がみられた。

 プラセボ群との比較でグレード3以上の有害事象の相対リスク(RR)が有意に高かったのは、手足症候群(ソラフェニブのみ、p<0.001)、下痢(RR 7.89、p=0.001)、出血(RR 3.75、p=0.016)、発疹(RR 4.06、p=0.045)、肝毒性(RR 3.54、p=0.048)、発熱(RR 1.54、p=0.035)だった。

 Rollig氏は「高いエビデンスレベルで年齢が若いAML患者に対するソラフェニブの有効性が示された。エビデンスに基づく医療の観点から、新たな標準治療として確立するためには確認試験が行われることが望ましい」と話した。

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