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2014/11/17

新規診断膠芽腫に非侵襲的デバイスNovoTTFと術後補助テモゾロミドの併用で有意にPFS、OSが延長【SNO2014】

横山勇生

 新規診断膠芽腫に対して、装用型の非侵襲的なデバイスであるNovoTTF-100Aと術後補助療法としてのテモゾロミドを併用すると、テモゾロミドのみの場合と比べて、有意に無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。前向き国際多施設臨床試験EF-14の中間解析の結果、示されたもの。11月13日から16日まで米国マイアミで開催された19th Annual Scientific Meeting and Education Day of the Society for Neuro-Oncology(SNO2014)で、スイスZurich University HospitalのRoger Stupp氏によって発表された。

 NovoTTF-100Aは、頭に装着し頭皮の上から腫瘍に向けて非常に弱い中間周波の交流電場である腫瘍治療電場(Tumore Treating Fields;TTF)を持続的に発生させる。分裂中の細胞に連続的にTTFを作用させると、細胞が二分される前の段階で染色体や分離装置の正常な分離が阻害され、分裂はストップする。電場の影響は分裂が早い細胞に顕著に表れ、ゆっくりと分裂する正常細胞にはほとんど認められない。

 NovoTTFは全重量が約3kgで、斜めがけショルダーバッグの中にバッテリーなどの主な装置が入っており、そこから、頭髪をそり落とした頭に貼り付けた電極パッドに向けてケーブルがのびている。患者は、ショルダーバッグを持ち歩く、または自分の脇に置いておくだけで、通常通りの生活を送りながら連続的に治療を受けることができる。

 EF-14試験は米国、カナダ、韓国、欧州、イスラエルの12カ国83施設で実施された。テモゾロミドと放射線療法を受けた新規診断膠芽腫患者を、最大7週間の間にTTF(1日18時間超)と術後補助テモゾロミドを投与する群(TTF併用群)と術後補助テモゾロミドのみを投与する群(テモゾロミド群)に2対1の割合で割り付けた。TTFの照射は2度目の増悪が起きるまで行われた。

 1次評価項目はITTを対象にしたPFS、2次評価項目は治療を受けた患者を対象にしたOSなどだった。試験の対象患者は18歳以上で組織学的に膠芽腫と証明され、標準的なテモゾロミド/放射線療法が完了し、その後腫瘍増悪がない患者などとした。

 2014年11月11日までに692人が無作為化され、18カ月超の観察期間があった315人を対象に中間解析が行われた。TTF群には210人が割り付けられ、治療を開始されたのは203人、2サイクル目の治療が開始されたのは196人(97%)、既定の治療を受けたのが196人だった。テモゾロミド群には105人が割り付けられ、治療を開始されたのは101人、2サイクル目の治療が開始されたのが95人(94%)、クロスオーバーされなかったのは84人だった。両群の患者背景に大きな差はなかった。

 TTF群の術後テモゾロミドを受けたサイクル数中央値は6(1-25)で、TTFのサイクル数は1サイクルを1カ月として8.0サイクルだった。テモゾロミド群の術後テモゾロミドを受けたサイクル数中央値は4(1-24)だった。

 試験の結果、ITTを対象にしたPFS中央値はTTF群が7.1カ月(95%信頼区間:5.9-8.2)、テモゾロミド群が4.0カ月(同:3.0-4.3)で、ハザード比0.53、p=0.0014で有意にTTF群で延長していた。ITTを対象にしたOS中央値はTTF群が19.6カ月(95%信頼区間:16.5-24.1)、テモゾロミド群が16.6カ月(同:13.5-19.1)で、ハザード比0.75、p=0.034で有意にTTF群で延長していた。2年生存率はTTF群が43%(95%信頼区間:36-50)、テモゾロミド群が29%(同:21-39)だった。

 さらにクロスオーバーした患者を除いて解析するとOS中央値はTTF群が20.5カ月(95%信頼区間:16.5-24.1)、テモゾロミド群が15.5カ月(同:13.5-19.1)で、ハザード比0.67、p=0.0072でより有意にTTF群で延長していた。2年生存率もTTF群が45%、テモゾロミド群が28%だった。

 副作用は両群で大きな差があるものは少なかったが、TTF群では装置装着部位反応が認められた。

 中間解析の結果、データモニタリング委員会は早期の成功中止を推奨した。研究グループは「膠芽腫に対する新しい標準治療が確立された」とした。

 NovoTTFは、日本では2013年8月に開催された「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」で議論され、現在承認申請準備中となっている。

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