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2014/11/15

EGFR変異陽性NSCLCに対しエルロチニブ+ベバシズマブ併用による1次治療は高齢者でもPFS延長【肺癌学会2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)に対する1次治療として、エルロチニブとベバシズマブの併用はエルロチニブ単独投与に比べ、75歳未満でも75歳以上でも、無増悪生存期間(PFS)を延長することが、ランダム化フェーズ2試験JO25567の解析で明らかになった。全生存期間(OS)はまだイベント数は少ないが有意な違いは見られなかった。11月14日から京都市で開催された第55回日本肺癌学会学術集会で、近畿中央胸部疾患センター臨床研究センターの安宅信二氏らが発表した。

 対象は、化学療法未治療で活性型EGFR遺伝子変異(T790M変異を除く)を有するステージ3B/4または術後再発の非扁平上皮NSCLC患者。脳転移例は除外した。エルロチニブ+ベバシズマブ併用群とエルロチニブ単独群に1:1の割合でランダム化割付けした。主要評価項目は、独立評価委員会によって評価したPFSで、副次評価項目はOS、奏効率、安全性、QOLとした。

 エルロチニブ+ベバシズマブ併用群では、エルロチニブ150mg/日を連日投与し、ベバシズマブ15mg/kgを3週ごとに投与した。エルロチニブ単独群ではエルロチニブ150mg/日を連日投与し、認容できない有害事象または増悪を認めるまで継続投与した。

 30施設から154人が登録され、投与可能だった152人を解析対象とした。この結果、2013年6月30日時点でPFSイベントは103人、PFS中央値は、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群16.0カ月、エルロチニブ単独群9.7カ月で、ハザード比0.54、p=0.0015だった。奏効率は、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群69.3%、エルロチニブ単独群が63.6%、病勢制御率はそれぞれ98.7%、88.3%だった。

 奏効までの期間は両群とも0-4週までが最も多く、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群のほうが短い傾向が見られた。

 今回の発表では、OSの追跡データが報告された。2014年3月31日時点でイベント数は52人で、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群27人、エルロチニブ単独群25人だった。OS中央値はエルロチニブ+ベバシズマブ併用群34.2カ月、エルロチニブ単独群では中央値に達していない。ハザード比は1.14(95%信頼区間:0.66-1.96)、p=0.6487であった。ただし、このOSのデータはまだ十分なイベント数が発生しておらず、immatureだとした。

 1年生存率はエルロチニブ+ベバシズマブ併用群97%、エルロチニブ単独群92%、2年生存率はそれぞれ81%、74%となった。

 2次治療としては、エルロチニブ単独群でプラチナ系抗癌剤による併用療法+ベバシズマブが多く、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群ではプラチナ系抗癌剤による併用療法が多い傾向があった。

 2014年3月31日時点で、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群16人、エルロチニブ単独群9人が治療を継続していた。

 重篤な有害事象は、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群24%、エルロチニブ単独群24.7%に見られた。高血圧や蛋白尿はベバシズマブ投与群で多かったが、予期しない有害事象は見られなかった。

 またサブグループ解析の結果、どの因子でも併用群でPFSは良好だった。年齢の因子で分けると、75歳未満の患者では、PFS中央値はエルロチニブ+ベバシズマブ併用群(63人)15.4カ月、エルロチニブ単独群(62人)9.7カ月、ハザード比0.60、p=0.0163。奏効率はそれぞれ69.8%、64.5%で、病勢制御率は98.4%、88.7%だった。

 75歳以上の患者では、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群(12人)のPFSは中央値に達せず、エルロチニブ単独群(15人)は9.7カ月、ハザード比0.23、p=0.0128だった。奏効率はそれぞれ66.7%、60.0%で、病勢制御率は100%、86.7%であった。

 有害事象も75歳未満と75歳以上で大きな違いはなかった。このため「症例数は少ないが、高齢者でも安全で、効果が期待できる」とした。

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