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2014/11/1

日本人骨髄線維症でもルキソリチニブは脾腫を縮小し疾患関連症状を改善、フェーズ2試験サブ解析【JSH2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 日本人骨髄線維症患者においても、JAK1/JAK2阻害薬ルキソリチニブは脾臓の腫脹や疾患関連の症状を改善することが、アジア国際共同フェーズ2試験(A2202試験)の日本人サブセット解析で明らかになった。血液毒性に対しては減量や投与中断で管理可能であることも示された。10月31日から11月2日まで大阪市で開催されている第76回日本血液学会学術集会で、大阪大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学の織谷健司氏らが発表した。

 A2202試験は、中国、日本、韓国、台湾で行われたオープンラベルのフェーズ2試験。原発性骨髄線維症(PMF)、二次性骨髄線維症(PPV-MF、PET-MF)で、IWG-MRT(International Working Group for Myelofibrosis Research and Treatment)のリスク分類でリスク因子を2つ以上持つ患者を対象とした。120人が登録され、うち日本人は30人だった。

 試験開始時の血小板数に基づいて、ルキソリチニブ初回用量が決定された。血小板数が100-200×109/Lの場合の初回用量は15mg bid、血小板数が200×109/Lを超える場合は20mg bidとした。この治療を24週間行った。

 主要評価項目は24週時点で35%以上の脾臓縮小が認められた患者の割合、副次評価項目はルキソリチニブの安全性と忍容性、患者報告アウトカムの変化、全治療期間で脾臓が35%以上縮小した患者の割合(最良奏効率)、脾臓縮小の期間とした。

 患者の年齢中央値は67.5歳、対象患者30人のうち女性が20人で、PMF患者が13人だった。脾臓の体積の中央値は2010cm3(682-7849cm3)。ヘモグロビン値が10g/dL未満だった患者が53.3%、血小板数が100-200×109/Lの患者は56.7%を占めた。またJAK2 V617F変異陽性の患者が83.3%であった。

 2013年6月7日時点で、追跡期間中央値は67週。22人(73.3%)が治療を継続していた。投与を中止した8人のうち、有害事象による中止は4人、病勢進行は2人であった。

 減量を行った患者は96.7%であり、1日の総用量は15mg bidの患者群で16.35mg、20mg bidの患者群では19.93mgだった。

 35%以上の脾臓の縮小が見られた患者は24週時点で33.3%で、全治療期間では43.3%(最良奏効率)であった。また初回の35%以上の脾臓縮小までの期間中央値は13週だった

 症状を評価するSymptom Assessment Form (MF-SAF)で、24週時点で50%以上の症状スコアの改善が認められた患者は56%だった。また初回50%以上のスコア改善までの期間中央値は4.3週だった。

 主な有害事象は、貧血(63.3%)、血小板減少症(40%)、血小板数減少(30%)で、鼻咽頭炎(36.7%)、下痢(30%)も報告された。主なグレード3/4の有害事象は貧血(60%)、血小板減少症(20%)、血小板数減少(13.3%)であった。またグレード3/4の帯状疱疹が3人、心不全が3人、肺炎が2人に認められた。

 血液毒性について、貧血による減量もしくは投与中断は30%、血小板数減少では27%、血小板減少症では33%の患者で行われた。

 A2202試験の全患者データと比較すると、貧血による減量や投与中断が全患者では12%、血小板減少症では23%であり、どちらも日本人のほうが多い傾向が見られた。しかし血液毒性による投与中止はなかったことから、貧血や血小板減少症は減量や投与中断で管理可能であるとした。

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