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2014/10/1

抗CTLA-4抗体で進行した黒色腫患者に対するニボルマブは奏効率を改善、忍容性も良好【ESMO2014】

森下紀代美=医学ライター

 黒色腫で、ipilimumabおよびBRAF阻害剤で治療後に進行した患者に対し、免疫チェックポイント阻害剤で完全ヒト型抗PD-1モノクローナルIgG4抗体のニボルマブ(BMS-936558、ONO-4538)は、化学療法と比べて奏効率が高く、忍容性も良好であることが、非盲検、フェーズ3のCA209-037試験から示された。ニボルマブのレスポンダーは、前治療でのPD-L1の発現の状態、BRAF遺伝子変異の状態、前治療のipilimumabの有用性に関わらずに認められた。9月26日から30日までスペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)で、米国H. Lee Moffitt Cancer Center and Research InstituteのJeffrey Weber氏が発表した。

 現在承認されているipilimumabやBRAF阻害剤で進行した進行黒色腫患者に対する治療選択肢は限られている。進行黒色腫患者を対象としたニボルマブの早期の臨床試験では、単剤で臨床的な有効性と管理可能な安全性プロファイルが示されている。

 CA209-037試験の対象は、治療歴があり、切除不能なIII期またはIV期の黒色腫患者で、ECOG PSは0または1であることとした。BRAF野生型の患者はipilimumabで治療後に進行していること、BRAF V600遺伝子変異を有する患者はipilimumabとBRAF阻害剤で治療後に進行していることとした。

 対象を、ニボルマブ 3mg/kgを2週毎に投与する群(ニボルマブ群)、または試験担当医師が選択した化学療法を行う群(ICC群)に2:1でランダムに割り付けた。ICCでは、ダカルバジン1000mg/m2の3週毎の投与、またはカルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル175mg/m2の併用療法が行われた。治療は進行または受容不能な毒性の発現まで継続した。層別化因子は、PD-L1の発現、BRAF遺伝子変異の状態、前治療のipilimumabに対する最良総合効果だった。

 同試験の主要目的は、ニボルマブを投与し、6カ月以上の追跡が可能だった最初の患者120人における奏効率を評価すること(中間解析)、ならびにニボルマブとICCのOSを比較することだった。今回は奏効率についての解析結果が発表された。

 ニボルマブ群は272人、ICC群は133人となり、年齢中央値はそれぞれ59歳と62歳、男性の割合は65%と64%、ECOG PS 0の患者の割合は60%と63%だった。脳転移の既往は、ニボルマブ群20%、ICC群14%、LDH値が正常値上限を超えていたのはそれぞれ51%と35%だった。ニボルマブ群とICC群において、前治療の数が2を超えていたのはそれぞれ21%と23%、ipilimumabは全例に投与されており、vemurafenibの投与はそれぞれ18%と17%、化学療法は53%と54%に行われていた。前治療のipilimumabで有用性が得られなかった患者は、ニボルマブ群の64%、ICC群の65%だった。

 投与回数の中央値は、ニボルマブ群で8、ICC群ではダカルバジンで3、カルボプラチン+パクリタキセルで5、治療期間中央値はそれぞれ5.3カ月と2.0カ月だった。投与中止の理由で最も多かったのは進行で、ニボルマブ群43%、ICC群61%だった。

 独立画像評価委員会の判定による奏効は、ニボルマブ群(120人)では38人(完全奏効の3人を含む)、ICC群(47人)では5人で得られ、奏効率はそれぞれ32%と11%となった。試験担当医師の判定による奏効率はそれぞれ26%と11%となった。

 ニボルマブ群で奏効が得られた38人中、36人(95%)は24週以上の追跡期間において治療を継続中である。奏効までの期間の中央値はニボルマブ群2.1カ月、ICC群3.5カ月だった。奏効期間中央値はニボルマブ群では未到達、ICC群では3.6カ月となった。層別化因子によるサブグループ解析でも、いずれもニボルマブ群で良好な結果だった。

 ベースラインからの標的病変の最大縮小率をみると、屈曲点(inflection[break]point)は、ニボルマブ群で61%、ICC群で36%だった。

 ニボルマブ群では、120人中37人(31%)がRECIST 1.1による進行を認めた後も治療を継続し、このうち10人(8%)ではその後30%以上の腫瘍の縮小が認められた。これは従来の反応のパターンとは異なる「免疫応答(immuno-related response)」のパターンだった。

 治療薬に関連するグレード3または4の有害事象は、ニボルマブ群の9.0%、ICC群の31%で観察された。ニボルマブ群ではグレード3または4の疲労感、下痢、嘔吐などが認められたが、いずれも1%以下の発現率だった。またニボルマブに関連する有害事象として、グレード3または4の皮膚毒性(1%未満)、消化管障害(1%)、肝機能低下(1%)、hypersensitivity/infusion reaction(1%未満)、腎機能低下(1%未満)が発現したが、いずれも5%未満で管理可能だった。薬剤に関連する有害事象(全グレード)により治療中止に至ったのは、ニボルマブ群の2%、ICC群の8%だった。

 Weber氏によると、今回のデータに基づき、米食品医薬品局(FDA)では優先審査が、欧州医薬品庁(EMA)では迅速審査が進められているという。

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